「雲龍図」仁王門天井板絵 2014年制作

仁王門天井板絵 2300 x 1685 mm 2014年制作 北海道松前町 光善寺蔵

「雲龍図」仁王門天井板絵 2300 x 1685 mm 2014年制作 北海道松前町 光善寺蔵

僕の母の実家は松前町の龍雲院というお寺です。
その母の実家の隣にあるお寺が、老朽化した仁王門を改築することになりました。
改築に伴い、天井画の修復も試みたそうですが、下地の胡粉ごと剥落してたため、X線を当てても元の画の判別が不可能になってたそうです。それならば、少しでもご縁のある画家に新規で龍の画を描いてもらうことに決め、隣のお寺の甥っ子に藝大出身の日本画家がいることを思い出し、僕にご依頼が舞い込んだという訳でした。

仏具店から、龍を描くための無垢の桧板10枚が、埼玉県川口市の僕のアトリエに届けられました。アトリエの床に10枚の板を並べ置き、通常の日本画の大作を描くのと同じ姿勢で描くことが出来ました。

仕上がった作品を北海道まで運送してもらい、現地の宮大工が仁王門の天井にはめ込んでくれて改築完了です。

「雲龍図」仁王門天井板絵 2300 x 1685 mm 2014年制作 北海道松前町 光善寺蔵

今度は剥落することが無いように板に直接墨で描きました。墨は耐久性に優れた画材です。
文化財の修復も意義のあるお仕事ですが、現存画家に腕を振るうチャンスが頂けるのは大変ありがたいことです。