「一目千本図屏風」吉野山 2016年制作
紙本彩色 六曲屏風 4043 x 1818 mm 2016年制作
吉野山 吉水神社境内の「一目千本」と呼ばれる絶景地からの眺めです。
画面左下から右上に向かって、下千本、中千本、上千本と一望出来ます。
この景色を目の当たりにした時、その迫力にしばし魂を奪われてしまいました。
さすが日本一の桜の名所だと思いました。
この光景はいずれ必ず絵に描きたいと思いましたが、この感動は、大きな屏風で描かないと十分伝えられないとも思い、構想だけ持ちつつ、描く機会を待っていました。
たまたま大口の注文が途絶えた時、ピンチはチャンスだと切り替え、自分自身がかねてから屏風の大作として描きたいと望んでいたこの光景を描きました。
実は2020年に、パリ在住のファッションデザイナーの高田賢三氏が、この屏風にご興味を示され、帰国したら直接ご覧頂く予定でした。
帰国のチャンスが得られないうちに、お亡くなりになってしまわれ、とても残念に思っております。
コロナ禍の2022年 根津記念館において
「山梨の息吹~日本画展」が開催され、文化と芸術をこよなく愛した根津喜一郎の邸宅内、【楠の間】に「一目千本図屏風」「秋茄子」「胡瓜」と併せて展示されました。
吉野山の桜を空間ごと切り取ってきたような、眼前に咲き誇る桜の景観。
和室との相性はやはり格別です。
正面に腰を据えて、じっくりとその眺望をお楽しみいただけましたら幸いです。