「一夜城」One Night Castle

「登龍門」を仕上げたら次回作は、Hidden Art「一夜城」なる作品を描くことにしました。

「一夜城」は豊臣秀吉公が、小田原の北条軍攻めをした時に、小田原城を見下ろす高台に、まるで一晩で城を築き上げたかのように見せ掛けた逸話ですが、

僕は昼間は現代の天守台だけがある皇居東御苑の風景が、夜になると江戸城天守が忽然と現れる Hidden Art を描こうと計画を立ててます。

毎晩、暗くなると姿を現す江戸城天守という意味で「一夜城」という題名を思いつきました。



2024年4月4日

早速「江戸城」の下見に行ってきました。
現在は「皇居東御苑」が正式名称ですが…😅

せっかくなら桜が咲いてる時期に行っておこうと思い、「登龍門」の完成を待たずに本日、ロケハンしてきました。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

本日僕が歩いたルートをピンクの線で示します。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

東西線「竹橋」駅から地上に出たら、先ず喫煙所を探します。
毎日新聞社ビルの中にJTが管轄する公共の喫煙所が入ってました。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

皇居側へ交差点を渡り、振り返って毎日新聞社ビルを撮影。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

皇居の周りも桜が咲き始めてます。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

平川門に通じる橋を渡ろうと思います。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

守衛さんに手荷物検査をしてもらいますが、無料で入園出来ます。

自分が通過した後振り返って、後から入園される外人さんの様子を撮影。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

これが平川門です。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

江戸城のお濠は、内濠、外濠というより、螺旋状にぐるぐると何重にも囲んでます。

一番外側が隅田川、神田川を通って、四谷、赤坂、溜池、虎ノ門、汐留から太平洋に抜ける広大な範囲が江戸城内だったそうです。

現在の皇居敷地内に入ってからも、更に内側の濠があるという訳です。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

僕の頭の中には、現在の皇居ではなく、昔の江戸城の天守に近づいて行ってるイメージが占拠してます。

そう思ってあらためて見直すと天守の手前の石垣も高くて堅牢ですね。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

梅林坂を上り詰めると、天守台の北東、天守正面入口の裏側に出ます。

ここから先、天守台の上に江戸城天守を再現させた時の構図をイメージしながら写真を撮っていきます。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

こちらが北側、天守の真後ろになります。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

再び北東側、天守の斜め後側からです。

桜とのツーショットの構図にするなら、天守との間の常緑樹は無いものとした構図にします。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

天守東側、正面から見たら右側から見たところ。

さすがに、昼間の風景としては、空ばっかりで構図が持たないかな?
まっ、雲の表情などで変化をつけることも可能ですが。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 取材

こちらが(南側)天守台正面から見た景色。

やはり天守入口が見える正面からの構図が絵になりそうです。

昼間は、現代の観光客が天守台に群がってる様子も点景として描いた方が、活気があって良いと思いました。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

僕も天守台に登ってみます。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

石を切り出す時の表面の溝なども至近距離で確認します。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

入口手前の桜も咲いてて良い感じです。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

天守台頂上はこんな感じ。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

天守台を下ります。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

少し斜め向きから。

真正面からより、天守の立体感が出しやすく、格好良く描ける角度になると思います。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

今度は左斜め前から。

明るい時には天守が無く、画面上部が空だけだだっ広いと構図が決まりにくいので、前景に、樹木とかがあった方が良いかもしれません。

あちこち移動しながら、前景に相応しい樹木の入った景色の写真を数パターン撮っていきます。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

こちらの樹も良いです。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

こっちもありかな?

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

こちらからだったら、いくつかの枝を間引きして、画面構成上絵になりそうな枝だけ加えます。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

桜の枝との組み合わせが良いんですけど、女子達が離れてくれません😅

まっ、絵にする時は消させて頂きますけど。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

本日のロケのもう一つのメインモチーフが、この小屋の中にあります。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材

江戸城天守30分の1サイズの模型です。

これまでの実景ももちろんですが、これはスマホではなく、デジカメにて色々な角度から撮影させて頂きました。

こちらは蓄光顔料で描き、現在の天守台だけの景色を暗くすると忽然と現れる様に組み合わせようと思います。

日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三
Hidden Art「一夜城」
One Night Castle
取材
日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 取材

現在の天守台は、寛永期の天守台より一間分低いと説明されてます。

先日東博で観たVR江戸城の映像でも、天守が復元される時天守台も高く変化しましたので、僕もそういう変化をさせようと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 取材

あらためて、現段階では、この構図が第一候補かな?

まっ、桜を除けば、何時でも無料でこの場所にロケハン出来ますので、下図制作に入ってから迷ったら、また来れば良いです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 取材

帰り道も桜を楽しみながら歩きました。


2024年4月27日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

絹本を仮張りするための木枠を作りました。

木枠の設計図を描いて、必要な角材の寸法を割り出します。
また、ネジや釘の本数が足りてるか確認します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

今日はホームセンターに材料を買いに行ってる間に、電動ドライバーの充電を済ませておこうと思います。

だんだん段取りが上手になってきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

いつものように、平らな床に表裏ひっくり返して置いてみて、反りの少ない真っ直ぐな角材を選びます。

床に寝かせた2本が選んだ真っ直ぐな角材で、
立て掛けてある2本は選外の角材です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

カットサービスカウンターで、どうカットして欲しいかを図で示します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

必要な材料をエコバッグに入れて持ち帰ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

一本ささくれた角材がありました。
制作中に怪我をしないように、ささくれた場所を切り取り、ヤスリをかけ、更に布テープで覆いました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

自分の公式サイトから、過去の制作手順のアーカイブを確認し、手順を間違えないようにします。

制作手順を省略無しに全て公表してるのは、他のアーティストへのサービスというより、むしろ自分自身の為の忘備録として役に立ってます。

科学者、研究者は、必ず自分の実験経過を記録しながら、前回までの経過通りか、または改善点を加えながらより良い物を見つけようとすると思います。

僕も、感情任せに無計画に描き進めるタイプではなく、科学者、研究者の様に冷静、合理的に制作を進めるタイプだと思います。
後年、絵にトラブルが発生した時に、過去の制作経過を見直す事で、トラブルの原因を推察し、改善策を見つけられる様になると思います。
自分の絵の品質が、経験を積めば積むほど上がっていく事に繋がります。

アイディアに関しては、閃きに左右される部分があると思いますが、色褪せない、ひび割れ剥落しない、カビが生えないなどの品質は、こうして制作経過を記録しながら、冷静に分析、研究を重ねる事で、運任せではなく確実に自分の作品の品質が向上していくというわけです。

まだ駆け出しの若手とはもちろん、歳だけ重ねてこれまでの経験から学ばないアーティスト達とは、レベルが違うと自負しております。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

釘を打つ場所にキリで穴を穿ちます。
こうする事で、いきなり釘を打って角材が割れるのを防ぎます。

組み合わせる角材の木口の中心に釘を打ちたいところでしたが、一箇所、丁度中心位置に木目がありました。

木目は硬いので、ここは中心から少しズラして釘穴を穿ちます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

L字金具を養生テープで固定してから、ネジ穴もキリで穿ちます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

普段力仕事をしないヤワな掌なので、キリを使うと掌にマメが出来ます。
(写真では判別出来ませんでしたが…) 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

テーブルと椅子の間に挟んで立て掛け、先ずは釘で結合させます。

写真を撮り損ないましたが、木工用ボンドも接着部分に既に塗ってあります。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

養生テープを端から剥がしながらネジで留めていきます。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

最初の挿入は、手動ドライバーでゆっくり丁寧に真っ直ぐネジを入れていきます。

ネジの真っ直ぐな挿入が安定したら、電動ドライバーに持ち替えて一気に奥まで挿入します。
いきなり乱暴にやっては、ネジが斜めに曲がったり、ドライバーを挿す溝が拡がってしまいます。

あの時の気遣いと一緒です。by エロぞう 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

L字金具の取付け完了。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

強力ながら剝がす事も出来る両面テープを木枠内側に貼ります。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

両面テープのシールを剥がし、サッシ隙間テープをその上に貼ります。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

サッシ隙間テープで内側をぐるりと囲みました。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

下図用のパネルの着脱をスムーズにし、サッシ隙間テープのスポンジ表面を保護するため、養生テープをその上から貼ります。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

下図用のP20号パネルをパイルダー・オンさせます。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 木枠制作

表から見たところです。

これまで、エロぞうスコープに収まるサイズを念頭に、P10号以内の Hidden Art ばかりを描いてきてました。

しかし、前回の「登龍門」制作から、やはり感動を与え、迫力を感じさせる為には、ある程度の大きさが必要だと思い、エロぞうスコープに収まらない大きさの絵を描きたくなりました。

「一夜城」発表にはエロぞうスコープに頼らない特別な秘策を計画してますので、どうぞお楽しみに! 


2024年4月28日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本張り

木枠に糊を塗る前に、木枠の画面に近い内側にマスキングテープを貼ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本張り

新しい木枠なので捨て糊を塗っては乾かし、
乾いたらまた塗るをくり返します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本張り

4回目の糊を塗って内側に貼ってたマスキングテープを剥がします。

完成し、剥がした後、糊代部分はシワシワになってしまいます。
軸装の時は、画面の外の糊代は全て断ち切ってしまうのでフラットになりますが、今回はパネルに水張りして額装する予定なので、パネル側面に貼る糊代には仮張り時点では糊をつけない配慮です。

たぶん経験者にしか分からない配慮なので、一般の方は分からなくて結構です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本仮張り

木枠をいったん壁に垂直気味に立て掛けて緩く貼った後、床に寝かせてしっかり貼っていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本仮張り

余分は断ち切り、左右1cmくらいを外に引っ張りながら、横方向へはピーンと張りながら木枠に密着させていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本仮張り

最後に瓶の腹で扱いて木枠に密着させます。
縦は緩く、左右に引っ張りながら貼ったので、横方向への皺が残ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 絹本仮張り

四隅に画鋲を刺して明日までしっかり乾かします。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 構図シミュレーション

皇居にて取材した写真をPCのPhotoshopにてレイヤーを重ねて構成します。
江戸城も皇居内に飾ってある実物の30分の1の模型の写真を使ってます。

これは江戸城の写真を半透明で重ねたところです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 構図シミュレーション

江戸城模型写真を濃度100%にしたところです。

月や星に見えるのは、模型展示室の照明です。
また蓄光顔料は、緑、青、群青での表現になりますので、背景は群青色になります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 構図シミュレーション

江戸城のレイヤーを見えなくしたところです。
左の松と右の桜は他の角度からの写真から切り取って画面上にコラージュし、元々この角度からの写真に写ってる桜の後方の松は消そうと思います。

明るい時は空に表情をつけて退屈にならない様にするつもりです。


2024年4月29日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

木枠との糊付け部分が湿って糊が溶け剥がれないようにマスキングテープを貼って保護します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

明礬入りのドーサ引きをします。

僕はかれこれ20年くらい、金箔を押す(貼る)時くらいしかドーサに明礬を入れない手法で描いてきました。

明礬を加える事で、表面が完全に固まり、もうこれ以上膠液が染み込まないように表面がコーティングされます。

僕はある程度可塑性が残ってた方が、上から被せる絵具と溶けて馴染んだり、洗い取る事も出来るので、敢えて序盤のドーサには明礬を溶かさない方法を取ってきました。
全然滲まないというのも味気ないですし。

ところが、蓄光顔料は、膠分の吸収力が貪欲で、完成したと思った後も、膠や糊を吸ってしまいます。
出来上がった作品の裏打ちをした後、その糊を蓄光顔料が更に吸い取ってしまうと裏打ち紙の一部が剥がれてしまう事を経験しました。

そういう訳で蓄光顔料を使った作品に関しては、最近また明礬入りのドーサも使うようになりました。
特に今回は細密な江戸城がモチーフです。
滲みのないシャープな猫写が必要ですので、最初から明礬入りのドーサで滲み止めするという手順を採用します。

自分自身で試行錯誤しながら技法も柔軟に変えていってます。
また、表現する対象によって、滲み、ぼかしが必要な物と、シャープな猫写が必要な物とによって、滲み止めの加減も、その都度柔軟に変えます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

ドーサ引き一塗り目です。
引いた直後から緩かった縦糸がみるみる縮みはじめます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

一塗り目が完全に乾いたら、画面を180°回転させて反対側から二塗り目を引きます。

日本画家 佐藤宏三 エロぞうスコープ発送

乾き待ちの間に、「泥中に咲く」をエロぞうスコープⅣと一緒に、今度はパリの展覧会を企画してる会社に宅配便を使って搬入しに行きます。

日本画家 佐藤宏三 エロぞうスコープ発送

送り主が企業じゃない場合は、一点物の美術品を運送会社が宅配便としては受け付けてくれなくなりました。

品名で使うのは「おもちゃ」が最適です。
ある意味エロぞうスコープは、おもちゃみたいなエンタメグッズですから。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

現状の天守台の写真を裏から透かして鉛筆で本画にトレースしていきます。

現在の天守台は、復元させる寛永度の江戸城の天守台より面積が広く、高さが低いので、PCの画像編集ソフトを使って、蓄光顔料で復元させる寛永度の江戸城に滑らかに繋がるよう、比率を歪ませてます。

写真をそのまま移すのではなく、それとは気づかれない様に作画上のウソをついてる訳です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

写真からトレースするなんて、手抜きだと思われるかもしれませんが、輪郭線のハッキリした漫画やイラストをトレースするのと違い、写真からのトレースって、トレースした後の描写力が無いとリアルに再現するのは難しいですよ。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

裏から白い紙を当てても、薄っすらアタリが見える程度です。

この後は、写真と見比べながら骨描き、隈取りしていかないとリアルに見えてきません。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

合成し画面構成に加える桜の枝も写真を差し込み鉛筆でトレースしました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 本画トレース

漫画やイラストと違い、現実には輪郭線というものは存在しません。

なので、重なりあう物同士の明度差がハッキリした部分だけが、便宜上の輪郭線を引けますが、明度差が曖昧な部分も多いので、写真からのトレースは、実際に写実的な絵を描かない人々が思われてるより簡単な方法では無いという訳です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 膠液の準備

膠液が残り少なくなってきましたので、使い果たす前に、次に溶かす膠を水に浸して冷蔵庫で保管しておきます。

先々を見越して段取り良く準備しておくのも大切です。


2024年4月30日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

最初は、写真を下から透かした状態で、濃く溶いた臙脂で赤味の濃いところを彩色します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

次に薄く溶いた臙脂で全体的に彩色します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

薄墨で枝を描いてから、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

写真を裏から取り出して、写真を観ながらだんだん仕上げていこうと思います。

桜の様な淡い濃淡の写真は、絹本の下から透かし観てもよく分かりませんので、直接見比べながら彩色していきます。

また、輪郭線を骨描すると固くなってしまいますので、骨描きせずに、朦朧体で絵具の濃淡で描き進めていこうと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

墨や臙脂は、薄いものを何度も重ねながら濃淡に変化をつけていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

棒群青で陰影もつけます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

ひたすら濃淡の変化を少しずつつけていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

濃墨を加えたり、ガンボージと洋藍とを混ぜた緑も加えます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

極極淡い絵具の濃淡で花を描いていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

仕上げは、臙脂と棒群青とを混色した紫色を陰の色として被せ、桜の花の出来上がりです。

面積的には全画面のうちの狭い範囲ですが、本日はほぼ、桜の猫写だけで1日掛かりでした。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 桜の彩色

桜のとりあえずの完成。

もちろん裏彩色を始め、全て一通り描いた後、バランスを整えるため、再び加筆する可能性は大いにあります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 天守台の彩色

現状の天守台を描こうと思います。

こちらは最初から写真を表に出し、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 天守台の彩色

判別し難かった部分は、直接見比べながら鉛筆で加筆して、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 天守台の彩色

骨描していきました。石垣の様に硬いものは骨描きが適してます。

写真からトレースしたところで、結局は筆による猫写力が絵の出来を左右するという事が分かって頂けたと思います。

写真からトレースしたら素人でも上手に描ける訳では無いですし、プロの画家や漫画家が写真をトレースした事を批判するようなニュースがこれまで何度かありましたが、オリジナルの写真の著作権を持った人か団体に使用許可を取れば問題無いですし、まして自分自身で撮った写真をトレースすることは、ズルでも手抜きでもありません。

仕事の効率化をするために猫写のアタリをトレースするのは合理的だと思います。

結局トレースしたアタリは、目安程度で、最終的には画家の描写力が優れて無ければ、トレースによって写真の様なリアルな描写が誰にでも描ける訳では無いのです。


2024年5月3日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 天守台のトレース

左右反転させた写真を表側から貼る前に透明シートを貼ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 天守台のトレース

写真を差し込み、裏から見ますが、絹本を通して観るとディテールが不鮮明でボヤケてます。

このままでは写真から細密な下図をトレースすることは不可能です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

先ずロットリングにて輪郭線を描き起こします。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

拡大写真。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

次にグレーカラーのアルコールツインマーカーにて、陰影をよりハッキリさせます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

拡大写真。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

次にアクリルホワイトで明部を明るくします。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

寛永度江戸城の壁面は漆喰の上に黒い銅板を張って耐久性を強化してたそうで、一見、黒く見えます。

黒い下地のまま、銅板の輪郭線を引いても、絹本を通して観ると輪郭線が判別出来ません。

とても面倒で骨の折れる作業でしたが、銅板をアクリルホワイトで明るく描き起こすことで、銅板の輪郭線がハッキリしてきました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

まだ全て明るくしてませんが、初重(一階)の銅板を明るくし終わったところで、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

絹本の下から透かし観てみました。

これなら銅板の輪郭線もトレース出来そうです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

一通りコントラストとディテールアップが完了しました。

壁面の銅板は、最終的には黒っぽく、あまり発光しないように仕上げるつもりですが、最終的に見えにくいディテールも、最初はいったん細密に描いて、段々見えにくく抑えていくつもりです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 江戸城ディテールアップ

明日以降は、裏彩色の骨描きに入ろうと思いますが、自分の Hidden Art 制作史上、最も細密な描写になりそうです。

今月中にもう一枚、制作を計画してた Hidden Art の新作の計画は頓挫してしまいましたが、一夜城の制作だけで手一杯になりそうなので、もう一枚の制作が頓挫して良かったと考えます。


2024年5月4日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

先ずは胡粉による骨描きをしようと思います。
空摺りして、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

膠液を加えます。
現状使用の膠液が残り少なくなってきましたので、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

2日前から水に浸して冷蔵庫で保管してた新たな膠を溶かしておこうと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

胡粉団子を溶かし、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

溶かし終えてから5分ほど放置した後、上澄みだけを小さな絵皿に移し、こちらを絵具として使います。

大きな絵皿にに沈殿した胡粉は、勿体ない様ですが捨てます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

表側から下図とする写真を位置を合わせて貼ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

テーブルの高さに合わせて、キャリーケースとその上に本を重ねます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

手が届きやすい様に、画面を逆さまにして、裏から胡粉での骨描きをしていこうと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

透けて見える写真は不鮮明ですので、別に模型をクローズアップで撮影した写真を参考にしながら描いていきます。

透けて見える輪郭線をなぞるというより、透けて見える写真は位置の目安で、実際には直接見えてる鮮明な写真を参考に描写していくわけです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による骨描き

胡粉で骨描きし始めましたが、どうも明礬入りのドーサを引いた絹本に思い通りのシャープな骨描きが出来ません。

弾かない様にハッカ油も加えてみましたが、絹の繊維の網目のせいか、胡粉を含ませた面相筆を滑らかに運筆させることが出来ませんでした。

絹の網目が粗く感じるほど、今回の描写がいかに細かいか思い知らされました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

作戦変更です。

面相筆が滑らかに運筆出来ないなら、蓄光顔料を置いていくように彩色していくことにします。

蓄光顔料も保存中にダマになりやすいので、軽く空摺りして粒子をバラけさせます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

最上重の金箔部分から、緑に発光する蓄光顔料を筆先で置いていくように彩色していきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

暗室代わりのトイレで確認します。

赤や黄色に光る蓄光顔料もありますが、発光が弱く、青系の蓄光顔料と併用すると、青や緑の発光に負けてほとんど視認出来ません。

しかも赤系の蓄光顔料は、明るい時も、赤や黄色の色をしてるので、完全に隠せませんし、どうやら硫黄分を含んでいるようで、筆がボロボロになります。
赤や黄色の硫黄分を含んだ蓄光顔料を、筆と同じ生物由来の有機物である絹本に塗ると、絹が溶けて穴が開く恐れもあります。

なので、金箔部分は緑の蓄光顔料で彩色して、群青色の蓄光顔料で空を塗った時に、相対的に黄色味を感じて貰えれば良いと判断しました。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

四重目、三重目も同様に彩色していきます。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

こんな感じです。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

二重目や初重は、画面を横向きにして描きます。
手が届きやすい様に、画面を回します。

蓄光顔料は粗いので、筆先の利く面相筆をつかっても、蓄光顔料を含むとどうしても筆先が膨らんでしまいます。

おそらく今回は蓄光顔料で描ける細部猫写の限界へのチャレンジになると思います。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

近距離用の眼鏡も外して、裸眼で棟方志功の様に顔を近づけて、一筆一筆、慎重に蓄光顔料を置いていきます。

顔も近づけて描く必要から、画面を横にした時は、先ず、左半分の彩色だけをして、 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

右半分は、画面を180°回転させてこちら側から彩色しました。

今日は丸一日掛けて、これだけの描写しか出来ませんでした。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

大きなお月様に見えるのは蓄光顔料が入った絵皿です。

江戸城の金箔部分の彩色は、本日後半に彩色した下層ほど発光が弱くなってます。

明日以降も重ね塗りをして下層の方の発光も高めたいと思いますが、今晩は、ここで力尽きました。

続きはまた明日。 


2024年5月5日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

昨夜の続きから始めます。
金箔が貼られた部分を、緑に光る蓄光顔料にて彩色の続きです。

先ず、画面の右側を手前にして塗り重ねます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

暗室代わりのトイレで確認します。右半分が明るくなったのが確認出来ました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

前の投稿で動画をアップした細かな描写の様子です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

左半分も塗り重ねました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

金箔部分の彩色完了しました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

次に銅瓦葺の彩色に入ります。
建造当初は銅そのものの色だったそうですが、直ぐに酸化して緑青色に変化したそうです。

東博で「VR江戸城」を観たときに、スタッフから、「上野東照宮の五重塔の銅瓦葺と同じ色だったそうです」と聞き、東博を出た後、五重塔を観察してイメージを定着させてました。

緑に光る蓄光顔料は、相対的に黄色く光って見えるようにしたいので、
銅瓦葺の色には、青く光る蓄光顔料と緑に光る蓄光顔料とを半分ずつブレンドして緑青色を作ろうと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

蓄光顔料同士の混色は今回初めてです。

比重に大きな違いが無ければ、2色の中間の色に混ざっているはずです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

トイレの便座カバーの上に置いて撮影。

写真で観ると緑が勝ってるように見えますが、肉眼だと2色の中間の緑青色に光ってました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

ほんの一部分を塗ってから、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

トイレで確認。
まだ一塗り目で、発光は弱いですが彩色出来てます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

今度は左半分から彩色していきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

細かい(細い)銅瓦葺の描写も粗い蓄光顔料で描いて行けそうです!

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

左半分の銅瓦葺を一通り彩色しました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

日が暮れたので、アトリエの照明を消して確認します。

まだ発光が弱いながらも、蓄光顔料でここまで細かく塗れる手応えを感じました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

右半分も彩色していきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

一通り銅瓦葺の彩色をしたところです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

更に塗り重ねて銅瓦葺もだいぶ発光してきました。

写真では、金箔部分の緑と、銅瓦葺の緑青の色の違いが判りにくいですが、肉眼では両者の発光の色の違いはちゃんと区別出来ます。

なお、上で光ってる絵皿の様に、江戸城の上に月が光ってたらカッコいいと思いましたので、月も描こうと思います。

方角的に北北西(11時の方角)なので、満月は見られないはずですが、三日月なら見られると思います。

まぁ、どのみちフィクションなので、満月にしちゃっても良いかなとも思いますが😆


2024年5月13日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

桜は夜も光って見えるように蓄光顔料で裏彩色します。

蓄光顔料でメインに使えるのは蓄光力、発光力共に高い、緑、青、群青の3色です。

3色の中で一番白く感じさせる、青く光る蓄光顔料を桜の裏彩色に選びます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

暗室代わりのトイレで確認します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

銅葺瓦も、面相筆に持ち替えて青く光る蓄光顔料で重ね塗りしていきます。

画面を横にして、手が届きやすい画面左半分を彩色し、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

180°回転させて、画面右半分の銅葺瓦も細い線で重ねていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

トイレで確認。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

日が暮れたので、アトリエの照明を消して確認出来るようになりました。

銅葺瓦もだいぶ明るくなりました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 蓄光顔料による裏彩色

桜も更に重ね塗りして明るくしました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

裏彩色用の左右反転させた写真をいったん剥がします。

剝がす前に、また貼るときに同じ位置に貼れるよう印をつけました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

アクリルシートも、木枠に印をつけてから剥がします。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

松の写真を、今度は裏側から貼ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

木枠にピッタリハマる木製パネルをパイルダー・オンさせて、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

表側にひっくり返します。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

最初は、裏側から写真を透かして、大まかなアタリをつけます。

絹本を通して透けて見える松は不鮮明ですので、薄墨でだいたい一通り描いたら、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

裏から剥がして上に出し、直接写真を観ながら濃淡をつけて描いていきます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 松の表彩色

本日はここまで。


2024年5月14日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 下図の調整

下図の陰影をもっとハッキリさせようと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 下図の調整

加筆前

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 下図の調整

加筆後。

違いが微妙過ぎて、たぶん分かってもらえないと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 下図の調整

裏彩色用の下図から、隈取り(=陰影の濃淡をつけること)するための加筆です。

絹本を透かして観た時に、より陰影のコントラストを上げる加筆をしたという訳です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

アクリルシートを表から貼り、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

更に裏彩色用の下図を再び伏せて貼ります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

最初、胡粉で骨描きしようとしたら、たぶん微粒子過ぎて絹本の織り目に弾かれて上手く乗せられませんでした。

その後、骨描きの手順を飛ばして蓄光顔料にて裏彩色したら、粒子が程よく粗いため、絹本繊維に食いつきやすく感じました。

なので、裏彩色の隈取りを今回は胡粉ではなく、少し粗い13番の方解末に、インド旅行で手に入れた謎の鉱物のブレンドでやってみようと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

英語ネイティブではないインド人が表記した鉱物の名前の綴りからは何の鉱物かは分りません😅

宝石を売ろうとやってきたセールスマンに、
「僕はジュエリーには興味が無い。宝石を削る時に出来るストーンパウダーなら欲しいけど」と断ったら、「明日の同じ時間にまた来る」と言って、翌日額に玉の汗を浮かべ、「昨日から家族総出でストーンパウダーを作った」と言って持ってきた絵具の一つです。

ラピスラズリなど、欲しいストーンパウダーと、正直いらないと感じたストーンパウダーとが混ざってましたが、宝石商のご家族の苦労に報いる為、全てのストーンパウダーを買い取らせて頂きました。これまで使い途がないまま、もったいないから捨てずにとっておいたその時の絵具の一つです。

白過ぎる方解末を、蓄光顔料の明度に近づけるため混ぜるのにちょうど良い暗さでしたので、これを選びました。
このままでは粗すぎるので、乳鉢で更に細かくしようと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

細かくしました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

絵皿に半分ずつ出してみました。
肉眼だと方解末と、ナゾの鉱物を空摺りしたものの色の違いは判るのですが、日中の写真だと、明暗のコントラストが強すぎて、微妙な色の違いが分かりにくいですね。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

膠で練ってぬるま湯を加え撹拌したものです。

幸い、比重の違いはほとんど無く、分離せず中間のグレーに混ざってくれました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

軒下の凹凸部分を、胡粉で骨描きし始めた痕跡です。

弾いたり拡がったりしてシャープな描写が出来ませんでした。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

久し振りにハズキルーペも使ってみましたが、結局、裸眼で画面に顔を近づけて描くのが一番描きやすいとなりました。

絵具自体は粗いですが、推測通り、胡粉より絹本の織り目に食いつきやすく感じました。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

透けて見える写真と、直接見える写真両方を観ながら陰影をつけていきます。

隠し絵の為の陰影なので、明るいところで見たときは、明度差を感じさせてはいけません。

絵具の塗り厚を変える事で、最後に塗る蓄光顔料の発光具合に濃淡をつけるという訳です。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

漆喰の壁を補強する銅板の継目や、 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

千鳥破風を飾る青海波文(Wifiのマークに似た文様)も、完璧には再現出来ませんが、ニュアンスでそれっぽく描写していきます。

完成後もどれだけディテールが判別出来るか分かりませんが、見えるか見えないかの微妙な描写に手間を掛けることで、完成後のクオリティに違いが出る事を信じてやるしかありません。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

まだ全て終わってませんが、裏からの隈取りの効果がどれほどのものかを確認するため、本日の仕事の終わりに、いったん下図を剥がします。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

蓄光シートは緑に光る物しか持ってませんが、これを下に置き、 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

アトリエの照明を消して確認。

あちゃー、陰影としての被覆力がまだ全然薄かったです。丸一日頑張ってこれだけか〜。

めちゃくちゃ細かい描写をこの先何度も重ねる必要があります。

まあ、でも、一気に暗くはならないという事は、それだけ明暗の幅が豊かに表現出来るという事です。

地道に塗り重ねながら、濃淡に幅をつけて行くしかないです。 

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の隈取り

細い線を引くため、筆を持つ指に力が入ってますので、1日の終わりには指先にしびれが残ります。

いったいいつになれば、日々の苦労が報われる様になるのだろうか…。

インドの宝石商も、単なるバイヤーではなく、製造者だと知って全て買い取りたくなりました。

現代は作る人にお金が入らず、商売の上手い人達だけがずる賢く儲けています。

価値あるものを生み出す人こそ、正当に評価され、価値に見合った報酬が得られる世の中になって欲しいと思います。 


2024年5月15日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle ドーサ引き

裏彩色の絵具が、絹本の網の目から表側に抜けてしまってますが、制作序盤は想定内です。

絹本での制作では、制作前に絹本にドーサを引いても、網の目の隙間から絵具が通り抜けてしまう事があります。

ある程度描き(塗り)進めて、絹本の網目が絵具で埋まってきたところで、網目を埋める絵具もろともドーサで固めると、抜けないコーティングが完成します。

絵具が反対側に抜けて、下図に染み込むのを想定し、それを防ぐ為に、間にアクリルシートを挟んでました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle ドーサ引き

見事に抜けて、アクリルシートに着いた絵具です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle ドーサ引き

この先も、度々制作途中に引くと思いますが、
この段階で、いったん明礬入りのドーサを引いて、現在まで着いて絹本の網目を埋めてる絵具もろとも固め、網目から抜けない様にコーティングします。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle ドーサ引き

アクリルシートに着いた絵具も、いったん綺麗に拭き取ります。

この後出掛けますので、本日の制作はこれだけです。


2024年5月16日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 資材の購入

谷中の老舗日本画材店 谷中得應軒に寄って、「一夜城」の制作に必要な画材を買ってきました。

また、数日前に通販で注文してた蓄光顔料も届きました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 資材の購入

蓄光顔料は筆や刷毛に含むと、筆や刷毛が膨らみ、なかなか画面へ下りてくれません。

高価な金泥刷毛は、やはり最も高価な金泥を無駄無く画面へ下ろし、無駄に刷毛に留めないよう、下りの良い性質を持ってます。

ただし金泥刷毛は写真左の4.5cm幅のものでも7,000円超えでした。
谷中得應軒の女将さんから、毛束が薄い刷毛メーカーのものを提案され、そちらは金泥刷毛の半額以下でしたが、蓄光顔料の下りが良さそうです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 資材の購入

全てを横向きから撮影してみます。

左が今回、蓄光顔料用に購入した刷毛です。

中央や右の連筆と比べ毛束が薄いのが分かると思います。

通常の絵具を塗る時、僕は右の含みの良い連筆を愛用してきました。
含みが良い方が、塗り始めと塗り終わりの濃淡差が少ない長所となってきましたが、蓄光顔料の様に筆や刷毛に溜まりやすく、画面に下りにくい絵具の場合はそれが短所になってました。

使う絵具の性質によって、相性の良い筆との組み合わせも変わってくるという訳です。


2024年5月17日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

方解末とインドで購入した謎の鉱物とのブレンド絵具で、裏からの骨描きと隈取りの続きです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

部分アップ

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

日が暮れたので、蓄光シートを下に敷き、

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

アトリエの照明を消して確認します。

まだまだ全然薄いです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

蓄光シートを下に敷き、暗闇の中で骨描き、隈取りをしましたが、細か過ぎて暗闇の中の描写はきつかったです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

それでも少しはハッキリしてきました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

暗いテーブルの上に置いて、白が薄いところを濃くしていく方法に切り替えました。

弱いとはいえ、もう一通り下図からのトレースは完了したので、あとは既にトレースした線や陰影を重ね描き、重ね塗りしていけば良いわけです。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

部分アップ

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

だいぶハッキリしてきました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

壁を補強する銅板は黒っぽいので、蓄光顔料の発光を抑える為に面としても塗りました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

ありゃりゃ、銅板を一塗りしたら、思いのほか銅板の継ぎ目が目立たなくなってしまいました。

これは、裏彩色の骨描きと隈取りをもっとハッキリさせる必要があります。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

部分アップ

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 裏彩色の骨描き 隈取り

同じく部分アップ。

千鳥破風(=三角屋根部分)の陰影のコントラストも弱いので、明日以降も細かな描写を重ねる必要があります。

今晩は力尽きたので続きはまた明日。


2024年5月18日

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

絹本を透かして観るとボヤケて視認し難いディテールがあります。

今日は下図を裏側の上に位置を合わせて留め、間に念紙を挟んでボールペンでなぞってトレースしてみます。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

軒下の梁の間の暗がりなどをトレースで写しました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

大き過ぎて細部の比較がし難かったので、下図の写真を分割しました。

そして今日は一番粒子のきめ細かい胡粉にて骨描きや隈取りをしていこうと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

部分アップ。

梁の間の暗がりなどを胡粉を重ねる事で、光を通さない様にしていきます。

つまり、裏彩色で白さが濃いほど、暗くして蓄光顔料を発光させた時にはより暗くなるという訳です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

「一夜城」は、昼間は天守台の上の空が大きく見える作品になります。

雲に表情をつけて、昼間の絵柄も、ちゃんと絵として見応えあるものにしたいと考えてます。

最近は窓の外を見たり、外出するたびに、空の観察や、写真を撮るようにしてます。

これは夕食の買物に出たときに本日撮った写真です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

微粒子の胡粉による描写は、筆先が効き、細部描写がしやすいと感じました。

粒子の粗い蓄光顔料と、方解末とで、ザラザラした下地が出来てる上への描写は、胡粉の乗りも良く、これまでの下仕事も無駄ではありませんでした。

ある程度、胡粉でディテールアップしたところで、日が暮れましたので、下に蓄光シートを敷いて確認してみようと思います。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

全体

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

部分アップ

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り
日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

だいぶピリッとしてきましたが、まだ陰影の弱いところも確認出来ました。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

継続して描き続け、本日の最終段階です。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

蓄光シートを下から光らせて本日の最終段階を確認します。

先ずは全体から。

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

部分(上)

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

部分(中)

日本画家 佐藤宏三 Hidden Art「一夜城」 One Night Castle 胡粉による裏彩色の骨描き&隈取り

部分(下)

胡粉によるディテールアップは、筆先が効いて描きやすい事が実感出来ましたので、昨日まで方解末13番とインド産絵具のブレンドで描いてきた細部描写を、あらためて胡粉でも、より緻密に描いていこうと思います。

まだ数日、指先も足も痺れる細かな描写の日々が続きますが、ディテールに魂が宿ると信じて、出来る限りの手間を掛けようと思います。


2024年5月19日

本日の夕方、動画で投稿したように、胡粉にて壁を補強する銅板の継目などを描いていきました。

銅板はほぼ黒く、継目も見えるか見えないかです。

完成作品をご覧になられる方も、じっくりご鑑賞される方にしか気付かれないくらいの微妙な猫写になると思います。

蓄光シートを下に敷いて確認します。

上下に分けて撮影したほうが細部まで良く写ります。

蓄光シートを外して、現在画面に裏彩色してある蓄光顔料の発光を確認します。

緑に光る蓄光顔料は概ね発光が強いですが、

銅葺瓦屋根などは、もう少し塗り重ねて発光を強くしたいと感じました。

銅葺瓦の隙間に面相筆で胡粉を塗り、屋根の蓄光顔料による裏彩色を、平筆でベタ塗りして発光を強められる様にしました。

また、壁の銅板全体にも胡粉を塗りました。
これで銅板全体が暗くなるので、面相筆で緻密に描いた継目は目立ち難くなるはずです。

全体像。

銅板や、屋根の下の暗さが増して、存在感が増しました。

銅板の継目はよく見ないと見えませんが、
仮に「どうせよく見えない部分だから、描かずにベタ塗りしよう」と判断したとしたら、質感も、巨大さも感じられない、安物の模型みたいになったと思います。

部分拡大写真です。

よくよく観ると、細部まで細かく描かれてる事で、対象の質感のリアリティと、巨大な建造物なんだと感じさせる事が可能になると思います。

Hidden Art の表現で、一瞬驚かせるだけでなく、

じっくり時間を掛けて細分を鑑賞しても、見飽きる事がなく、いつまでも惚れ惚れと見惚れるレベルのクオリティを求めてます。

屋根と白壁は青く光る蓄光顔料で裏彩色し、銅板の下からは群青に光る蓄光顔料で裏彩色する予定です。

蓄光顔料の入った袋をそれぞれの下に置いて確認。

群青に光る蓄光顔料は緑に光る蓄光顔料ほどは明るくならないので、銅板の継目は益々じっくり観ないと見えない表現になると思います。

じっくり観る人、つまりご購入頂ける方が毎晩眺めても飽きる事なく、所有することに満足を深める作品クオリティを念頭に置いて制作してます。


2024年5月20日

昨夜の投稿後、夜中の仕事から。

蓄光顔料で銅葺瓦の裏彩色をしました。

屋根が明るくなりました。

上下をそれぞれアップで撮ったものです。

さて、本日の仕事は、白い紙を貼ったパネルを裏からはめて、いったん天守台の表彩色の仕事を挟みます。

下図の写真を透かしてではなく、直に観ながら骨描きの続きや彩色をしていきます。

薄目の墨と染料系の絵具とで、透明感をキープしながら彩色していきます。

今日の最終段階です。

まだ、薄いですが、様子を観ながら少しずつ濃くしていこうと思います。

蓄光シートを下に敷いて確認します。

現在の天守台と、少し高い寛永度の天守台とが、スムーズに繫がる様に、したいと思います。

現在の天守台をもう少し濃く彩色しても大丈夫そうなのが確認出来ました。

天守台のアップ