掛軸の収納 How to store the hanging scroll
掛軸の収納(保管方法)を解説します。
掛軸の巻き方
掛軸の地(下部)の軸を「軸棒(じくぼう)」といいます。
厚塗りで、細く丸めると、ひび割れ剥落の怖れがある作品には、「太巻」というアタッチメントを「軸棒」に被せてから丸めます。
「太巻」は、軸を丸める内側(表側)に、角を抉った方を当てるように被せてください。
「軸棒」から丸めていきます。
掛軸の天(上部)の軸を「八双(はっそう)」といいます。
巻き終わりの最後に「八双」に紙を挟みます。
巻緒の巻き方
掛け軸を掛ける紐を「掛緒(かけお)」といい、
掛け軸を巻き留める紐を「巻緒(まきお)」といいます。
「掛緒」に付いている「巻緒」で巻いていきます。
ここからは順を追って写真をご確認ください。
「巻緒」が捻れないように丁寧に巻きます。
最後に「巻緒」で縛る余地(長さ)を残しておきます。
「掛緒」に「巻緒」をくぐらせて、逆側に渡します。
逆側の「掛緒」にも「巻緒」をくぐらせますが、こちらは途中で止めます。
そのまま「巻緒」の先端を逆側に渡し、「掛緒」をくぐらせてお終いです。
桐箱への収納
桐箱と黄布です。
黄布や黄袋は、昔はウコン染めで防虫効果としてた名残りで、現在はウコン染めでは無いと思いますが、黄色い布で絵画作品を包む伝統が残ってます。
ウコン染めでは無くなった代わりに防虫香と一緒に桐箱に収納します。
松榮堂の防虫香は特に香りが良く、僕も、お客様達からも好まれます。
太巻を含む軸先受けは、微妙に幅が違います。
「八双」側を幅広側にして収納します。
桐箱に収まった状態です。
シールは、所有者が記入します。
昔の風流人は、沢山掛軸を買い集め、季節毎に掛け変えて楽しんだものでしたので、外箱のシールに作者名と題名とを書いて収納したんです。
桐箱を掛軸ケースに収めて完了です。