海外都市にての展覧会を企画してるクオリアートに「祈り〜阿修羅の娘」とエロぞうスコープの搬入をして、
担当者と打ち合わせをしたところ、エロぞうスコープをもう一つ作る必要が判明しました。
「祈り〜阿修羅の娘」は10月にフランス・ロワールにて出品し、
「煩悩」は11月にイタリア・フィレンツェにて出品します。
会期が近いので、エロぞうスコープの使い回しが出来ない事に気付いた訳です。
そこで、一旦クオリアートに搬入したスコープを送り返して頂き、これを見ながらエロぞうスコープⅢの製作に入ります。
「エロぞうスコープⅢ」=略して「エロ三」
必要資材の確認と調達
クオリアートから送り返して頂いたエロぞうスコープⅡ
だいぶ前に届いてましたが、この間まで確定申告の帳簿付けで忙殺されてましたので、提出を済ませて、さあ、これから準備に取り掛かります。
特製キャリーバッグを開けたら中もエアキャップで梱包されてました
クオリアートさんのエロぞうスコープへのリスペクトを感じます
この会社なら海外への出品、運送を安心してお任せ出来ます。
エロぞうスコープは、設計図無しで、手探りで作っていきましたので、自分でも記憶だけでは同じものを作れる自信がありませんでした。
エロぞうスコープⅡを観察し、あらためて必要な部品を確認していきます。
ボンドやネジの補充分も確認します。
必要なダンボールが何箱分必要になるか確認するためにメモを取りましたが、ダンボール箱は、通常の作品の梱包にも必要になるので、多めに買おうと思います。
内側に貼る黒布用に、何m買えば足りるかも確認します。
それぞれのお店で必要な部品をリストアップします。
スコープⅡの時は、作りながら、その都度必要な部品を買い足しに出掛けましたので、東急ハンズとラジオ会館には2回ずつ、島忠ホームズには4回くらい買い足しに出掛けましたが、今回は、それぞれ一回の買物で全て揃えようと思います。
表具店のマスミ東京に「煩悩」を引き取りに行った後、ラジオ会館と東急ハンズに寄って部品を買い集めました。
島忠ホームズにはまたあらためて出掛けます。
ダンボール工作
引越用ダンボール箱をカットしていきます。
今回はより丈夫にするため、各階層を二重ダンボールにしようと思います。
木工用ボンドを塗って貼っていきます。
一階層出来上がり。
食事の間には平たく潰して、
本を載せて圧着させます。
日頃僕がどんな本を読んでるかで、思想信条が伺えますね
二階層目。
正確な数字の設計図は作らず、一階層作っては、内側の寸法を測り、内側に入れる二階層目の寸法を決めていきます。
三階層目を入れたところで今日の仕事はおしまい。
また、いったんバラして平たく潰し、三階層重ねて重しの本を置きます。
第四階層も作りました。
こちらはエロぞうスコープⅡの突っ張りポールのギミックです。
ネジを通す部分には塩ビ板を貼って補強してあります。
ネジを通す場所に塩ビ板を接着し、24時間乾かします。
乾き待ちの間に黒布をカットします。
今日はここまで。
続きは接着部分が完全に乾いた明日以降。
エロぞうスコープⅡ(奥)を参考に、
エロぞうスコープⅢ(手前)のネジ穴の位置を決めます。
ⅡとⅢとでは、僅かにサイズを変えたので、ネジ穴の位置も少し変えます。
塩ビ板を貼ったダンボールにネジ穴を開けるために、
「業務用皮ポンチ」というのを使います。
東急ハンズで色々な素材や道具を探して、こういう道具を見つけました。
ポンチの尖端を当て、金槌で打ち付けます。
床に穴を開けないよう、カッターマットと、余ったダンボールを2枚重ねて下に敷いてます。
ネジ穴を開けたところ
必要な箇所全てにネジ穴を穿ちました。
JIS規格の罠
ネジの頭はドライバー、ナット側はラジオペンチで抑え、ドライバーを回し締めて取り付けます。
長いネジの方には、突っ張りポールを固定するためのナイロンクランプを挟むため、ネジとナットのセットだけではナットの数が足りないので、ナットだけを買い足してましたが、何故か買い足したナットがキツくてネジに入って行きません。
島忠ホームズに行き、店員さんにどうしてこの組み合わせだと上手く入らないのか聞いてみました。
ネジ、ワッシャー、ナットのセットで買った「JISなべ小ねじ」M4x30の袋には「旧JIS規格」と表示されてて(左)、真中と右の、ネジとナット、それぞれ単独の種類で売られてる袋には「JIS」とも「旧JIS規格」とも表示されてませんでした。
ネジの直径もナットの直径も、どちらも4mmで同じサイズだから合うと思いきや、小さな文字で表示された「ピッチ」が、旧JIS規格だと “0.75”、JISと書いてない方のピッチは “0.7”。
ピッチとはネジ山の間隔だそうです。
どうりでナットがネジに入って行かなかったんですね。
「旧JIS規格」のネジも、古い物の修理とかに必要でしょうから規格を変更した後も在庫を用意しておくべきだと思いますが、初心者のお客は規格が変わって、古いものと新しい物同士では、ネジとナットとが合わない事を知らないと思います。
販売コーナーでもっと分かりやすく告知、表示すべきだと思いました。
そんな事が常識な、慣れた店員さんや常連客にとっては盲点だったのかもしれませんが。
気を取り直して
買い足した現行規格で同サイズのネジを使って、この階層のネジとナイロンクランプの取り付けは完了。
最下層の突っ張りポールを受けるクランプ取り付け位置も決めます。
角に取り付ける金具を仮置きしてクランプを固定化するネジの位置を決めます。
クランプの穴に鉛筆の先を入れて、丸く塗りました。
先ほどと同様に皮ポンチにてネジ穴を穿ちました。
突っ張りポールを受ける側は、ネジが長すぎるとポールを挿し込みにくくなってしまいますから、長さ10mmの短いネジを使います。
最下層で、突っ張りポールを受けるためのナイロンクランプ取り付けも完了しました。
本日はここまでで終了します。
黒布の接着
木工用 多用途ボンドを一番上の階層から一辺ずつ塗り
連結用黒布の片側を接着します。
四辺全てに黒布を接着したら、
上から二番目の階層にはめ込み、スコープを伸ばした時に止まって欲しい位置の左右にマチ針を挿し込んで仮のストッパーとします。
拡大してみるとこんな感じです。
黒布を接着し連結し終わったらマチ針は抜きます。
黒布を内側をくぐらせ引っ張り出して、二階層目の表側に返して接着します。
マチ針を抜けば、伸縮自在となり、なおかつ、目一杯伸ばした時に、この位置で止まってくれるという寸法です。
四辺全て、この様な手順で、一階層目と二階層目とを連結します。
次に、二階層目の底にボンドを塗り
ヘラで伸ばし
三階層目と連結するための黒布の片側を上から重ねて接着します。
同様の作業を繰り返し、一、二、三階層目まで連結終了しました。
最後に、一番低階層の四階層目を連結して、本日の作業はここまでとします。
ちなみに四階層目の底は、ウレタンで囲みますので、表側に返した黒布は隠れます。
補強材
補強材のカットの準備です。
本来の用途は室内の柱や角をガードする、プラスチック製のベージュアングルを底に当てて鉛筆で印をつけます。
三角定規を当てて、45度の線を引きます。
斜めに置いたコンクリートブロックの角に当てて抑え、鋸で45度に斬っていきます。
木工用 多用途ボンドを塗ります。
底の補強材、4辺が完全に乾くまで密着させるため、養生テープを細くちぎって接着面同士を固定します。
側面の角にも補強材をつけていきます。
角を直角に固定する補強材兼突っ張りポールのストッパーにもなる金具を底の四角に接着していきます。
側面角を補強するベージュアングルは、鋸でカットしたあと、紙ヤスリでギザギザのバリを滑らかにします。
側面の角全てに補強材を接着しました。
突っ張りポールとする塩ビパイプを、仮にナイロンクランプに通します。
黒布で連結した4階層のスコープを目一杯伸ばし、突っ張りポールの長さを決めます。
ナイロンクランプから塩ビパイプを抜き、
鉛筆で印をつけた位置を鋸でカットします。
天板近くのボルトに固定する方は、クランプと接着しますので接着剤を塗ります。
ポールの長さがジャストフィットし、伸ばした時のスコープがぐらつかず強度を保ちます。
四隅全て同様にポールの長さをジャストフィットさせ、突っ張りポールとして機能させます。
垂直に置いてもスコープが伸びた状態で立ちます。
天板取り付け
続いて天板作りに移ります。
天板も二重ダンボールで強度を出すため、同じサイズで2枚カットし、片側にボンドを塗ってヘラで伸ばします。
接着させた2枚のダンボールを密着させるため、本の重しを置いて、約2時間乾燥させます。
その間に夕食を作り、食べます。
そして晩酌用の焼酎を買いに行きます。
制作仕事と家事との並行は、慣れたもので無駄がありません。
2時間後、コンパスで半径12cm、直径24cmの円を天板の中央に書きます。
アートナイフで円を切り取ります。
さらに、半径15cm、直径30cmの円を2枚切り取ります。
いったん天板からくり抜いた直径24cmの円を、ひと回り大きな直径30cmの円2枚で上下からサンドイッチします。
直径30cmの円の中央、コンパスの穴に画鋲を刺します。
マスキングテープで、画鋲を固定します。
天板からいったんくり抜いた直径24cmの円にボンドを塗り
中央の穴が画鋲にハマるように被せ、密着させます。
裏からの画鋲は抜いた上で、再び天板に直径24cmの円をはめ込みます。
今度は裏側から画鋲より針が長い小釘を刺し、マスキングテープで固定し
表側にひっくり返します。
中央から小釘の先が覗いてるのが分かると思います。
天板中央の直径24cmの円部分だけにボンドを塗り
直径30cmの円を、中央の穴に釘がハマるように被せ、貼り付けます。
重しを乗せて、一晩乾かします。
本日の作業はここまで。
完全に乾いたのを確認して、覗き窓をくり抜きます。
一階層目と木工用ボンドで貼り付け、マスキングテープで固定します。
逆さまにひっくり返し、本の重しを乗せて一晩乾かします。
今晩の仕事はこれだけ。
しっかり乾燥させてから、次の工程に移る事が肝要です。
あわてないあわてない。一休み一休み。
LEDや、調光ツマミなどを取り付けるネジ穴を開ける予定の場所に、天板の裏側から塩ビ板を接着しました。
穴を開けるのは完全に乾いた明日以降にします。
蓋の製作
蓋を作ります。
蓋も二重ダンボールにするつもりですが、2枚のダンボールを貼り合わせてから、立体的に組み立てるのではなく、先ず内側になる蓋を立体的に組み立て、マスキングテープで仮止めします。
蓋を被せ、あらためて一重の蓋の外側の寸法を測ります。
外側に被せるダンボールも切り取り、
立体的な状態のまま、ボンドを塗り、
外側のダンボールを被せ、接着します。
2枚重ねて立体的に位置合わせをして接着させてから、いったん蓋を外し、
本の重しを乗せて圧着させます。
本日はここまで。
蓋の側面を接着、組立てていきます。
側面の二重ダンボールを貼り合わせたら、一辺ずつ本の重しを乗せて圧着させます。
倒れないように、残りの本で垂直を保ちます。
一辺ずつ乾かしながら、合間にMLB中継を観たり、食事を作って食べたりしながらゆっくり作ります。
蓋が完成しました。
LED BARの位置決め
次に天板に、調光器や、LED BAR の金具を取り付けるネジ穴を、皮ポンチを金槌で叩いて穿ちます。
裏側からネジ穴を穿ち終わったところです。
ロゴ入れ
今日の最後に、ERO-ZO SCOPE Ⅲ のロゴをPCで作り、プリントアウトしました。
Ⅲ様に、新しいキャリーバッグもAmazonに注文して届きましたので、調光器などを取り付ける前に、ステンシルでロゴを入れようと思います。
クリアーファイルを1枚に切り分けます。
裏からマスキングテープで貼り付けます。
表からアートナイフで切ります。
ロゴをくり抜きます。
新しくもう一枚購入した大容量キャリーバッグに、白のアクリル塗料で型染めします。
少し滲んだところは、完全に乾いたら黒の顔料マーカーで整えようと思います。
ご飯を食べて、クリアーファイルに着いた白いアクリル塗料が乾くのを待ち、次は本体への型染めをしようと思います。
ひっくり返して、天板を押し出し、
本体の高さまで本を積み上げ、中に本を入れたまま、
ひっくり返します。
中に本が積んであるので、手で押しても天板は凹みません。
型染めの時に安定させる準備です。
Ⅱの時は、墨でやりましたが、アクリル塗料の方が多少粘りがあって、滲みにくいかな?と考え、今回は黒のアクリル塗料で型染めしました。
あちゃ〜!
白いアクリル塗料も写ってしまいました。
クリアーファイルに残った白いアクリル塗料は完全に乾いてましたが、養生テープに接着させて剥がしてから、あらためて黒いアクリル塗料で型染めすべきでした。
蓋に型染めする前に、クリアーファイルの裏表両面に養生テープを貼り、剥がします。
先ず裏から剥がしたら、輪郭周りの白いアクリル塗料が取れました。
表からもごっそり塗料を剥がし、
小さくちぎった養生テープで、完全に残った塗料を剥がし尽くします。
蓋への印字はバッチリ出来ました。
ちなみに蓋の裏にも、蓋の高さと同じになるように本を積んであります。
ウレタンフォーム(Face side)
覗き窓の周りのウレタンフォームを切ります。
スコープⅡ を参考に、頭部の輪郭を囲むウレタンフォームの接着位置に鉛筆でアタリをつけます。
ウレタンフォームを、多用途ボンドで接着し、
木村了子さんの画集を重しにし、圧着させます。
ちなみにエゴン・シーレの図録は重すぎて、ソフト・ウレタンフォームが支え切れませんでした。
木村さんの画集が丁度良い重さという訳でした。
ほっぺたを囲むウレタンフォームを接着します。
輪郭を囲むウレタンフォームとの接着面は、乾いて完全に一体化するまで養生テープでくっつけておきます。
おでこカバーも接着し、
再び重しを乗せて、本日はここまで。
奥に乗せたのは、頂き物の高級筆ペンのケースです。
身の回りにある物で、大きさや重さが丁度良い物は、何でも使います。
LED BAR の設置
LED BAR を取り付ける為の金具をネジで止めます。
表側にナットです。
表側のナットをペンチではさみ、裏側のネジをドライバーを回して締めます。
LED BAR を取り付けました。
次に調光器をネジを刺して固定しようと思います。
こちらは裏側にワッシャーとナットを付け、ペンチで抑えて表側からドライバーで締め上げて固定しました。
ここで、左側のエロぞうスコープⅡに比べ、右のⅢのライトの位置が外側に離れてる事に気づきました。
絵というのはたいてい中央に見せ場がきます。
外側を明るく照らすより、もっとライトの位置を内側に設置したほうが良いと思いました。
LED BAR の取り付け金具のネジ穴を、内側に穿ちます。
覗き口の回転盤ギリギリの位置にLED BAR を取り付け直しました。
最初の位置に穴が開いてしまいました。
ガムテープやウッドパテで塞ぐことも考えましたが、
ネジで塞ぎました。
穴を塞いだだけで、何も固定してない見せかけだけのネジですが、メカっぽい雰囲気が増したと思います
コードを繋ぎ、LED が光る事を確認します。
結束バンドベース(白くて四角い部品)を要所に貼り付け、結束バンドにてコードを固定します。
調光器から伸びるコードを通す為の穴は、太い接続部分を通すため、コードよりも直径の大きな穴を開けてました。
このままでは僅かに光を通してしまいますので、
裏からは布製のガムテープで塞ぎ、
表側からはウッドパテにて塞ぎます。
アダプターやコードを、搬入搬出時に固定するマジックテープなどを通します。
アダプターのプラグを、差し込む穴も開けました。
スコープⅡと、スコープⅢ
調光器の取り付け位置など、多少違いがありますが、ほぼ同じです。
ウレタンフォーム(Art side)
底に取り付けるハードウレタンフォームを10cm幅に切る印を、白い水性顔料マーカーでつけます。
カットします。
短い辺が、50cmより僅かに短いので、4mmほどカットします。
短い辺から多用途ボンドで接着します。
長い辺のウレタンフォームとの接着面と合わせるため、左右はウレタンフォームの厚さ2cmずつはみ出させます。
長い方の辺は、とりあえず50cmのウレタンフォームを貼り付け、足りない長さを定規で測って、
カットして継ぎ足し、接着します。
四隅が乾くまで養生テープで固定して、一晩乾かします。
ほぼ完成です。あとは取っ手を付けるだけです。
取手装着
本体の寸法を測り、本体の底部が三重ダンボールになる長さに取っ手を切り分けます。
折り目は粘土ベラを引き、定規を当てて折癖をつけました。
1つ目の角に取っ手をつけます。
本体への接着面の長さが、各辺の半分まで届く長さに測ってあります。
四角全てに取っ手をつけると同時に、本体底部の廻りは三重ダンボールになったというわけです。
これが完全に乾けば
「エロぞうスコープⅢ」=「エロ三」完成です!
完成
エロぞうスコープⅡとⅢ、揃い踏みです。
Ⅲ(右)の方が1cmほど高くて、
天板を含む全体もほんの一回り大きく作りました。
搬送時にアダプターを固定するマジックテープの結束バンドは、Ⅱ,Ⅲ 共に付けました。
使用するときは、自照装置を使わない時も、アダプターがおでこに当たって邪魔になるので、外し、結束バンドも閉じてご使用下さい。
アダプターを繋げて自照装置のチェックをしてみます。
壁に固定されてないと、持ちながら調光器の操作は出来ないので、床に置いた
「妄想ヌード(ベリーダンサー)」で確認します。
調光器のツマミを回して、明暗を変化させられます。