泥中に咲く bloom in the mud
2023年10月13日
絹本張り
新作の為に木枠に絹本を張りました。
下図を描いたパネルをはめ込める様に、仮枠の内側に
サッシ用すきまテープを用意します。
4辺分に切り分ける前にぐるっと囲んでみたら、
なんと丁度良い長さが残ってました。
すきまテープを貼り、
パネルのはめ外しがスムーズに出来る様に裏から養生テープを貼ります。
表に返して絹本を張りました。
いつも谷中の老舗日本画材店にて、絵具、筆、絹本を購入してます。
絹本は幅、厚みを指定して、必要な長さをロールから切り売りして貰ってます。
僕は、よく、自分の必要な長さをカットしてもらったあとに、女将さんから
「ロールの残りが中途半端に余ったから、これはサービスね」と言って、残りをプレゼントされる幸運(ご厚意?)に恵まれます。
時には1メートルを超える長さの余りを貰ったこともありました。
お得意さんと見込まれての役得ですね。
なので、今回は新しく購入すること無く、2作分の絹本が用意出来ました。
ありがたく使わせて頂きます
2023年10月17日
木枠に張った絹本。
糊付けする時はわざと縦方向を緩く張ります。
ドーサを引いたとたん、縦糸が直ぐに縮み始めます。
完全に乾くと、横糸も多少縮み、全体的にフラットになります。
もう1枚も同様
2023年10月18日
取材
今日は東博に出掛けて取材してきました。
特別展で「京都・南山城の仏像展」も開催中で、見応えありましたが、残念ながら特別展の方は全て撮影禁止でした。
常設展の方は撮影可能な仏像もいくつかあり、そちらはスマホではなく一眼デジカメで撮影してきました。
東博裏の庭園も開放されてて、蓮池がありました。
今まで蓮の取材はもっぱら埼玉県行田市の古代蓮の里に出掛けてました。
不忍池の蓮は栄養が良すぎるのか皆背が高く、花を見上げる角度で、取材には不向きだと思ってましたが、東博の庭の蓮池は背景も含め、絵にする取材地として良い雰囲気でした。
来年の夏は、ここに取材しに来ようと思います。
東博常設展示の仏像で撮影可能な物は取材出来ましたが、それ以外の仏像の名作も参考にするため、ミュージアムショップでオールカラーで写真が載ってる別冊太陽新版「仏像」も購入しました。
2023年10月23日
下図制作
鉛筆で下図の下描きをします。
最初、取材した写真からトレースしましたが、現実の蓮の形と、整った蓮華座の形の中間にするため、複数の蓮の写真を見ながら平均的な形に整えました。
棒絵具を薄く溶いて、蓮の骨描き(輪郭線)から始めます。
特に隠し絵として浮かび上がる釈迦如来の後ろ側に隠れる花弁は、輪郭線が見えるか見えないかくらいに描く必要があります。
下図を、本画用の絵絹を張った裏から
パイルダー・オンさせます。
木枠の内側にサッシ用すきまテープを貼ってるので、グラつかずピッタリフィットします。
裏から透けて見える下図の骨描きをなぞるように、本画に棒絵具や薄墨で蓮の輪郭線だけをトレースしました。
再び、下図を張ったパネルを取り出し、今度は隠し絵の釈迦如来を下図に描き加えていきます。
お釈迦様の顔は、東博・東洋館に飾られてるパキスタン・ガンダーラ地方の仏像の顔が実際の風貌に近いと思います。
インド地域は紀元前にアーリア人が入ってきて支配者になりました。
ですから、インド人は肌の色こそ黒〜褐色ですが、カースト上位者達は、皆顔の彫りが深く西洋〜中東人の骨格です。
僕は若い頃、インドとネパールとをスケッチしながら、それぞれ一ヶ月以上旅行した時に、身分(カースト)は顔付きで直ぐ見分けられることに気づきました。
白人(アーリア人)の血を引く者が、経営者で、従業員達がアジア人顔や、南方系の丸顔でした。
お釈迦様も、元々シャカ族の王子様が出家した訳ですから、生まれついての骨格、風貌は西洋人的な彫りの深い顔だったと思います。
手のポーズは日本の釈迦如来像によく見られる
「施無畏与願印」にしようとし、
髪型も我が国でお馴染みの「螺髪」にしようと思いましたが、途中まで描いて、実際の頭髪もパキスタン・ガンダーラ地方の仏像の方が自然に思われました。
直毛が多い日本人が、口伝で
「お釈迦様はクルクル巻毛だった」と聞き、それを真に受けてパンチパーマのような螺髪を想像して仏像を作ったのかもしれません。
歴史や宗教は、色々な解釈に分かれ、変化するものですから、何が正解と解釈するかは人によって様々になるのが必然だと思います。
ですので、僕も独自の解釈でパンチパーマじゃない釈迦如来像として描こうと思いました。
蓄光顔料は色数が少ない分、これまでも立体的な造形美を表現するため陰影に幅をつけて描いてきました。
今回もそのように表現してみます。
運慶、快慶の出現により、立体的な造形美は西洋のミケランジェロにも匹敵する仏像彫刻が生み出されましたが、それら生き生きとした肉体美、躍動美を伴った仏像は、四天王、仁王、天部や邪鬼など、菩薩以下の神仏に限られ、釈迦如来に関しては、アンタッチャブルで、仏師達の自由な解釈が入り込む余地が無かったのかな〜と推察します。
鉛筆による陰影をつけた下描きがほぼ出来ました。
光背を、円光と、放射状の光線、両方のアタリをつけてみて、
両方を合体させることにしました。
ロットリング(ペン)で引いたので、下図は漫画チックになってしまいましたが、本画では輪郭線を引かず、色違いの蓄光顔料で塗り分けようと考えてます。
こちらは、本画制作の手助けとなる下図に過ぎませんので、この段階での違和感を感じたとしても黙ってて下さるようお願い申し上げます。
本日の最終段階。下図です。
2023年10月31日
下図に加筆しました。
2023年11月5日
裏彩色 胡粉による隈取り
来年の展覧会への出品作なので、まだのんびり構えてましたが、あらためて確認したら、こちらの「泥中に咲く」搬入期日は年内でした。
一旦、こちらの制作を優先します。
下図をスキャナーで取り込み、それぞれ左右反転させてプリントアウトしました。
こちらが下図原画です。
左右対称に描いたつもりでも、反転させるとそうじゃない事がよく分かります。
PCの画像加工ソフトにて左右対称に整えます。
左右反転させたコピーを連結します。
P.Pクラフトフィルムを買ってきました。
下図の大きさにカットして
先ずは絹本の表側に貼ります。
裏彩色した時の水分が表に当てた下図に染み込んで、下図にシワをつけたり、下図のインクが絹本に染み込まない為のガードです。
左右反転させた下図のコピーを、本画の骨描きとピッタリ合わせながらマスキングテープで固定していきます。
裏側から、左右反転させた下図が絹本を通して透けて見えます。
胡粉を溶き、片方は薄めて、濃淡2色用意し、手前「代金は」の代の上に試し塗りしました。
水で薄めた方は、均一に薄まらなかったので、使わない事にしました。
目立たないお釈迦様の足元の皺を少し描いたところで、蓄光シートを下に差し込み
暗室代わりのトイレで胡粉の被覆具合を確認します。
一塗り二塗り程度で一気に真っ暗くなる訳で無い事が確認出来ましたので、地道に塗り重ねて濃淡を出していこうと思います。
衣を描き進めて、また蓄光シートを挟みます。
胡粉で光を遮断したところが暗くなりますので、徐々に胡粉に濃淡をつけて陰影の隈取りをしていきます。
反転させた下図コピーの影部分に胡粉を被せていってます。
だんだん立体的に見えてきました。
蓄光顔料の塗り厚で陰影を表現するのではなく、胡粉の塗り厚で光の透過量を調整すれば、蓄光顔料の塗り厚を平滑に塗っても立体感が出せるという訳です。
塗り厚を均一にすれば、掛軸として丸めやすくなるからです。
現在、フィレンツェに出品中の「煩悩 desire」を制作する時に閃いたアイディアです。
実用新案登録した後も、細かな改良方法が加わってます。
暗くしたいところほど胡粉を塗り重ねてますので、だんだんネガポジ反転されたみたいになってきました。
日没が早くなってきたので、アトリエの照明を消すだけで、確認出来る様になってきました。
本日の最終段階です。
明日以降は、蓄光シートによる仮確認ではなく、蓄光顔料の裏彩色に入ろうと思います。
2023年11月7日
日中の紫外線をたっぷり吸収した本画を、暗室代わりのトイレに持ち込んで確認したら、夜中の制作では充分に感じていた胡粉による陰影の被覆が弱かった事に気づきました。
今日から蓄光顔料による裏彩色に入ろうと思ってましたが、胡粉による重ね塗りを継続することにしました。
「急いては事を仕損ずる」
胡粉による重ね塗りをした時、もう外が暗くなってしまいました。
アトリエのLED照明だけでは、日中の紫外線の蓄光に及ばない事が分かりましたので、ブラックライトをお釈迦様に当てて充分な紫外線を蓄光させてから
確認しました。
OKです!胡粉による陰影のコントラストがハッキリしました。
裏彩色 蓄光顔料
胡粉による陰影をしっかりつけましたので、蓄光顔料はムラなく均一に塗ればOKという訳です。
ムラなく均一に塗るためには、平筆で同一方向に塗り重ねる方法が最適です。
塗りたい部分だけに塗るため、マスキングテープを貼り、
鉛筆で輪郭をトレースします。
マスキングテープを一旦剥がし、カッターマットの上に貼り、アートナイフで輪郭線を切り分けます。
先ずは頭髪と白毫とを、群青色に光る蓄光顔料にて、それから衣と蓮とを、青く光る蓄光顔料で塗ります。
肌色と背景とは、後日、緑に光る蓄光顔料で塗りますが、今日はこちらをマスキングして塗らないようにします。
一塗り目
塗った直後に暗くしましたが、ほとんど光りません。
そこで、またブラックライトで紫外線を吸収させてから暗くしたら、結構明るく塗れてました。
夕食を挟み、一塗り目を完全に乾かした後、180°回転させ、反対方向から二塗り目をして、またブラックライトで紫外線を吸収させます。
照明を消して確認します。
二塗り目でかなり明るくなりましたが、まだ若干塗りムラが見られますので、マスキングテープを剥がす前に、もう二塗りくらい必要だと思います。
搬入日から逆算すると、今回は軸装するのに充分な日数を確保出来ない可能性があります。
内心焦りますが、十分な乾燥時間を挟んで塗り重ねる必要があります。
たとえ軸装する時間が無くなったとしても、作品のクオリティが最優先です。
「急いては事を仕損ずる」と自分に言い聞かせ、先を急がず、慎重に仕事を重ねて行きます。
2023年11月8日
今朝、暗室に持ち込んで表から見たところです。
マスキングテープの上には絵具が乗りにくいのですが、それがぼんやりと光ってオーラを発してるようです。
マスキングテープを剥がすと、蓄光顔料同士の境目はもっとシャープになると思いますが、こうしてボヤケた発光具合も良い感じですので、仕上げに向けてもし硬い印象になってきたらこの表現を加味しようかなと思います。
表側には下図を反転させたコピーを貼りっぱなしです。
朝の紫外線をたっぷり吸収したので、コピー用紙を通して最初の写真の様に光りました。
下図のコピーを剥がして見たい気持ちもやまやまですが、本画の輪郭線とコピーの輪郭線の位置をピッタリ一致させて貼るのが結構大変でしたので、一通りの裏彩色が終わるまではこのまま貼っておきます。
昨晩投稿の後、なかなか寝付けなくて、夜中に三塗り目をしたんです。
こちらが裏から見た状態です。
青く光る蓄光顔料はだいたいOKだと思いますので、肌色と円光とを緑に光る蓄光顔料で塗る段階に進もうと思います。
が、今日は歯医者の定期検診と、丸める掛軸制作に必需品となった軟靭膠素を買いに出掛けるので、制作は進まないかもしれません。
2023年11月9日
円光と、肌のマスキングテープを剥がしました。
マスキングテープを剥がしたところはエッヂがシャープになりました。
表からの撮影は、照度が少なかったため、手ブレしてしまいこんな写真が撮れました。
Hidden Art は間違いなく幽霊の絵に向いてる表現だと思います。
お化け屋敷とかからの制作ご依頼こないかな〜?
本当に、どなたでも良いので、見て楽しんでるだけでなくお買い上げくださらないでしょうか。
どんな需要にもお応えする表現をご提案させて頂きます。
緑に光る蓄光顔料、一塗り目はまだ発光が弱かったので、これは二塗り目の写真です。
暗くするとこんな感じです。
顔の向かって左にある、ひときわ明るく光る星は、ドーサが抜けて、絵絹の表側に蓄光顔料が抜けてしまったと思われます。
僕は金箔を押すとか、完全に膠を固める必要が出てきたときのみ、膠液に明礬を加えますが、それ以外は、最初不完全であっても、塗り重ねていくうちに徐々に膠が固まって完成させるという方法を取ってます。
なので、序盤で一部ドーサが抜ける箇所がある事は想定内でした。
それよりも、蓮のメシベや、花弁の内側は黄色味が欲しかったので、青く光る蓄光顔料だけでなく、蓮も2色を使い分けて塗れば良かったと思いました。
面相筆にお湯をつけて、メシベや、花弁の内側を洗いました。
こうして明礬で固めたり、新開発のレジン系ドーサでなければ、天然の膠は、絵具を洗い取ることが可能です。
(微粒子で和紙や絹の繊維に浸透する)墨で描いた線や隈取りは一度描いて乾けば、洗っても取れませんが、粒子の粗い絵具は洗って取る事が可能です。
蓮一部の青く光る蓄光顔料を洗い取りました。
表側から見たところです。
画面を180°回転させて反対方向から三塗り目をします。
洗い取った蓮の内側には、あらためて緑に光る蓄光顔料が被ります。
顔の左の星が目立たなくなりました。
塗り重ねた膠が固まり、ドーサの抜けてた絵絹の目が完全に塞がれたと思われます。
蓮の茎も緑に光らせるつもりだったのを忘れてました。
四塗り目をする前に茎の両サイドもマスキングしてから、また180°回転させて反対方向から塗りました。
本日の最終段階(裏側)
本日の最終段階(表から)
たぶん、この投稿をしてる間に乾いたら、残ってる蓄光顔料を、茎など輝度の弱いところに塗ってから本日の仕事を終えると思いますので、厳密にはもう少しだけ加筆すると思いますが。
2023年11月10日
先ず、昨夜の投稿後、少し加筆した状態から。
茎以外は下図のコピー用紙を通してもこれだけ光って見えるので、次の段階に進もうと思います。
裏彩色 放射光
茎の両サイド以外のマスキングテープを全て剥がしました。
今日は、放射光のマスキングから始めていこうと思います。
幅広のマスキングテープをカッターマットの上に仮貼りし、金属製定規を当てて直線に細く切り分けます。
とりあえずカッターマットに仮貼りした分のマスキングテープは画面裏に貼りましたが、細かいクズがマスキングテープの接着面に沢山付着してしまいました。
カッターマットの削りクズがこれほど大量に付着するくらい、傷だらけのボロボロになってました。
たぶん10年間以上、僕の制作を支えてきてくれた僕の画材道具どころか、家事で使う日用品全ての中で、一番コスパの良い働きをしてくれた愛用品です。
こんなにボロボロになるまで支えてくれてありがとう
どうか天寿を全うして安らかにお休み下さい。
ここからの続きは二代目カッターマットで再開します。
島忠ホームズに行ったついでに、
カッターの安全刃折処理器と、
Hidden Art用暗室(別名エロぞうルーム)設置に必要な黒い養生テープも買ってきました。
シマホから帰って夕食を食べたら続きのマスキング作業をしようと思ってましたが、プライベートのイベント情報をメッセンジャーで一人一人にせっせと送り続けてたら、もうこんな時間(日付が変わる)になってしまいました。
制作の続きはまた明日。
2023年11月12日
新しいカッターマットに取り替えて、放射光のマスキングの続きから。
古いカッターマットで切ったマスキングテープにはカッターマットの削りカスが付着してますが、新しいカッターマットで切ったマスキングテープは綺麗です。
茎と放射光とに、緑に光る蓄光顔料を塗ります。
マリア観音の制作を間に挟み、乾き待ち時間を取りながら、3回蓄光顔料を重ねました。
表側からです。
今後もう少し塗り重ねる必要があります。
2023年11月13日
緑に光る蓄光顔料で放射光の重ね塗りの続きです。
今回はナイロン製の平筆で塗ってみました。
蓄光顔料は粗く、筆先のダメージが大きく、直ぐに消耗するので、天然毛筆よりダメージが少なそうで安価なナイロン筆を試してみます。
結果、このナイロン筆は絵具を含むと膨らみ過ぎて筆先が拡がってしまいましたので、蓄光顔料用には向きませんでした。
今日の一塗り目が乾いたので、二塗り目をします。
今日の二塗り目は、日本画用の平筆に代えました。
連筆よりも硬い毛で、含みも少ない平筆でしたが、筆に含むと筆を膨らませてしまう蓄光顔料用には最適でした。
蓄光顔料を含ませても膨らみ過ぎず、細く開いたマスキングテープの隙間だけを無駄なくピンポイントで塗れました。
表側から確認します。
これが乾いたら、次の段階に進めそうです。
裏彩色が乾いたのでマスキングテープを剥がします。
剥がし終わったら、今度は画面の四隅に細く切ったマスキングテープを貼りました。
明日以降は、背景に蓄光顔料及びその他の顔料で全面に彩色していくつもりなので、画面と余白とを区別しやすくするためです。
裏から光らせて見た今日の最終段階です。
マスキングを使ったからこそ、粒子の粗い蓄光顔料で、ここまでシャープに細く放射光が表現出来たと思います。
表側から見た本日の最終段階です。
これは、表に貼った下図コピーを通しての発光ですから下図コピーを剥がせば、もっと明るくハッキリと光るはずです。
2023年11月14日
裏彩色 背景
群青色に光る蓄光顔料を塗りました。
一塗り目から同じ仕事の繰り返しですので、四度目塗りの工程だけアップします。
裏のまま光らせた状態です。
表側から下図コピーを通して光る様子です。
明日以降は、蓄光顔料を全く塗ってない蓮の葉部分に通常の岩絵具を塗り重ね、裏彩色の絵具の厚みを平均化しようと思います。
来年1月の展覧会までに掛軸に仕立てる時間はないかもしれませんが、将来的に掛軸に仕立てる時に塗り厚を平均化して丸めやすくするためです。
2023年11月15日
蓄光顔料を塗ってない蓮の葉の上に天然方解末13番に少しだけ天然岩鼠13番を混ぜた絵具を塗り重ね始めました。
明日以降も繰り返し、だんだん厚塗りにするつもりです。
今日は、スマホ内蔵アプリの Google Photo で、画像回転やトリミングの操作をする度に、アプリが閉じてしまうトラブルが発生しました。
なので今日はデジカメで撮った写真をPCで整えての投稿になりましたので、投稿写真枚数も少な目になった訳でした。
Google Photo の不具合が一時的なものである事を願います。
2023年11月17日
裏彩色の続きです。
今日は日中雨天でしたので、乾くのが遅かったです。
もう少し塗り重ねが必要ですね。
二日前から水に浸して膨張させておいた膠です。
粗い蓄光顔料を塗っても掛軸として丸められる柔軟性を求め、膠の配合は試行錯誤してきましたが、現在は乾燥状態でもグミの様に柔軟性のある「軟靭膠素」60%のブレンド膠で描いてます。
今日の制作中は、電熱器でこれを1時間以上煮込み、カビ菌などを消毒させ、常温でも半年腐らないと言われる膠液を作ってました。
2023年11月18日
4度目くらいかな?
蓮の葉の裏彩色をしました。
これが乾けば蓄光顔料を塗った部分との厚みが近くなると思うので、これにて裏彩色は終了とします。
表側から貼っていた下図の反転コピーを剥がします。
本画の表側に、裏彩色の絵具が抜けていた部分も結構ありました。
表側にはみ出した絵具を洗い取るなどして、表面を滑らかにしてから表彩色に入る必要がありそうです。
下図コピーを剥がして見ると、胡粉の裏彩色での陰影が不十分な箇所も見つかりました。
下図コピーを通しての確認だったので、誤差が出てしまったというわけです。
表側からも隈取りをして発光具合を整えます。
まだまだ完成までの道のりは遠いです。
緑に光る蓄光顔料を顔や円光にもう一重ねします。
本日はここまで。
2023年11月20日
洗いとドーサ引き
ドーサの効きが弱く、裏彩色が表側に突き抜けてしまった状態です。
想定内でしたので、表側から塩ビシートで覆ってましたが、塩ビシートを通した写真です。
塩ビシートを、剥がします。塩ビシートにもはみ出た顔料が付着してますし、
本画の表側にも裏から絹の繊維を突き抜けて、顔料が盛り上がった箇所が沢山見られます。
表側に余分に通り抜けた顔料を、お湯を含ませた筆で洗い取ります。
一通り洗い取ったところです。
塩ビシートに付着した(主に蓄光)顔料です。
綺麗に拭き取って、また次回作の保護に使います。
余分にはみ出た顔料を洗って乾いたところです。
裏彩色の蓄光顔料を塗り足すところと、陰影となる隈取り彩色が必要なところは何箇所か確認出来ましたが、その前に一旦ドーサ(滲み止め)を引くことにします。
今回は、思った以上にドーサの抜けが広範囲に見られましたので、膠を完全に固める明礬を少量溶かします。
明礬を加えたドーサの一塗り目。
乾いたら180°回転させて、反対側からも明礬入のドーサを引きました。
明日以降の彩色は、しっかり抜けずに留まってくれる事を祈ります。
2023年11月21日
溶いた胡粉で、表側からも陰影の弱いところを補強します。
青く光る蓄光顔料の発光が弱かったところにも重ね塗りします。
表側から確認します。
こちらも乾いてはまた塗り重ねの仕事を繰り返しました。
裏彩色 補修工作
この段階までくると、実は裏側は、こんなに凹凸が激しいんです。
後年、丸められる掛軸に仕立てる時の為に、紙ヤスリで擦り均したいと思います。
ただし、この状態でヤスリがけをすると、絵具の層の薄いところの絵絹が紙ヤスリでダメージを負う怖れがあります。
蓄光顔料で盛り上がってる以外の背景などに、水晶末に、ガンボージの黄色と棒絵具の群青とを少量混ぜて、蓄光顔料グリーンに似せた色を作ります。
それで塗りの薄かった背景を塗りました。
これは一塗り目直後の写真ですが、乾かした後、二度目を塗りました。
2023年11月22日
今朝の状態です。
水晶末にガンボージと棒絵具の群青を混ぜて少し黄色くしたつもりでしたが、絵具は水分を含むと濃い色に見え、乾くと白っぽくなるので、乾いてみたら、背景に塗った水晶末は蓄光顔料より白くなってました。
まあ、裏彩色なので、少しくらいの色味や明度差は問題ないでしょう。
拡大写真です。
絵具の厚みにかなりの凹凸の差がありますが、とりあえず絹本剥き出しの薄塗り箇所は無くなりました。
裏面全体を紙ヤスリで優しく擦り、少しは均しました。
頑固に出っ張ってるところを完全にフラットには出来ませんでしたが、支持体である絹本を傷つけてはいけないので、ある程度の凹凸は妥協します。
掃除機のブラシヘッドで蓄光顔料の粉塵を吸い取ります。
出掛ける前にドーサを一引きします。
帰宅してから、画面を180°回転させて反対側から二引き目。
完全に乾いた明日以降に次の工程に入ろうと思います。
2023年11月23日
暗くした時の見え方は、だいぶ完成に近づいてきました。
明るい時に、円光と上半身の蓄光顔料の塗厚がやや薄いのが分かります。
「マリア観音」で緑に光る蓄光顔料を塗る時に、こちらの裏彩色も塗り重ねようと思います。
表彩色 隠蔽工作
表側から水晶末を塗って、より白さを均一にして、明るい時には釈迦如来の存在に気づかないレベルに隠蔽工作しようと思います。
一塗り目が乾いたところです。
透明な水晶末を一層重ねた程度では、裏からの発光にもほとんど影響がありません。
表側からの水晶末を四度目を塗り重ねました。
さすがに四度塗り重ねたら、釈迦如来の姿はほとんど隠れました。
反面、裏彩色の発光が暗くなりました。
今度は、ボウルにお湯を張って、連筆に含ませたお湯で表面の水晶末を洗いました。
洗った直後は、一旦垂直気味に立て掛けて、余分な水分を落としてから、また水平に寝かせて乾かします。
2023年11月24日
今日は午前中から予定が入ってましたので、出掛ける前にドーサを一引き。
今回も微量の明礬を加えたドーサを引き、この後する表彩色にムラが出来ないよう完璧な滲み止めとします。
帰宅後、反対側からもドーサを引きます。
ドーサが乾いたので、上半身と円光の輝度が弱いところに緑に光る蓄光顔料を塗り足します。
裏から見るとかなり明るくなりました。
表から見ても充分な輝度になりました。
ドーサも、裏彩色も乾いたところです。
やや暗いカーペットの上に置くと、まだ円光が暗く見えます。
最後に白い和紙で裏打ちすると、円光と背景との明度差は目立ちにくくなるはずですが、念の為、もう一重ねだけ水晶末を被せようと思います。
先ず水だけ含ませた連筆で画面全体に湿り気を与えます。
水晶末を含ませた連筆で彩色しました。
湿り気を与えていたので、連筆の継ぎ目が分かりにくくなってくれると思います。
水晶末が乾いたところです。
だいぶ画面全体の白さが平均化されました。
明日以降は、空の色や、蓮の彩色に入りますので、表彩色が進むにつれて、釈迦如来のお姿は明るい時には見えにくくなると思います。
水晶末をもう一重ね被せた状態で発光具合を確認します。
若干暗くなりましたが、充分な輝度を保ててます。
今晩はここまで。
2023年11月25日
表彩色 背景
本日もスタートはドーサ引きから。
反対側からもドーサを引きます。
背景の空を塗るため、群青棒を溶かします。
先ずは表側全面を湿らせて
蓮の花以外を群青棒で塗ります。
蓮の花弁にも群青棒で陰影をつけます。
暗室代わりのトイレで群青棒の影響を確認します。
ほとんど影響はありません。
上空は更に群青棒を塗り重ね、グラデーションをつけます。
蓮の葉を墨で隈取りします。
再び、空色のグラデーションをつけます。
群青棒の影響は、ほとんどありません。
乾いたところです。
胡粉の上には群青棒の色が乗りにくかったようで、お釈迦様の輪郭が白く見えてしまってます。
後日、こちらも隠蔽工作します。
2023年11月27日
裏彩色 隠蔽工作
ついこの間、膠を溶かしたばかりなのに、また残り少なくなってきたので、二日前から水に浸けてふやかしておいた膠を電熱器で溶かしながら制作を進めます。
胸、顔、円光、そして蓮の花弁の内側にも、緑に光る蓄光顔料の裏彩色を重ねます。
裏彩色が乾いた状態で、表側から見たところです。
前回の投稿に比べ、円光の裏彩色に厚みが加わった事で、円光の周りとの明度差が無くなりました。
この様に、裏彩色の絵具の厚みを平均化することで、表側から見た時の発色具合を一定にする効果もあります。
明日は再び群青色に光る蓄光顔料で放射光の間も埋め、放射光も明るい時には目立たなくしようと思います。
地道な仕事が続きますが、隠蔽工作ほど、念には念を入れる必要があります(笑)。
現段階で暗くした時の見え方です。
放射光の間の群青色の発色は、暗くした時の見え方としては、これくらいでも良いのですが、
明るい状態で放射光の存在を隠すために、裏彩色の塗厚を平均化するために塗り重ねるという訳です。
2023年11月28日
放射光の間の塗厚の薄い部分に、群青色に光る蓄光顔料を塗り重ねます。
群青色に光る蓄光顔料が乾いてきましたので、表側から確認します。
う〜ん、放射光も表側から判っちゃいますね。
釈迦如来同様、空色の着きが薄いところをピンポイントで彩色する必要があるかもしれません。
染料の群青棒に、染まりやすい絵具と染まりにくい絵具が混在してるのが色ムラの原因の様です。
一旦ドーサを引き、放射光の間に塗った群青色に光る蓄光顔料の着きを安定させます。
ドーサが完全に乾いた後、また紙ヤスリで優しく擦り均します。
将来、軸装が可能な様に、スムーズに丸められる様、絵具の厚みを平均化しておきたいからです。
また、凹凸があると、裏打ちの紙が一部剥がれやすくなってしまうので、その点でも裏面もなるべく平滑にする必要があります。
ヤスリ掛けで出た粉塵を掃除機のブラシヘッドを直接当てて吸い取ります。
ヤスリがけした後、またドーサを引き、乾いて、本日の最終段階です。
表面ヅラは、少しも進展してません。
この作品の搬入締め切りにはもう間に合いそうにありませんが、納期を焦って後年トラブルが起きては自分のブランド価値を下げてしまいます。
数日締め切りを過ぎても、品質に自信を持った作品に仕上げる方が大事だと思ってます。
(展覧会は来年1月、国内での展覧会ですので、早すぎる締切は、たぶんサバを読んでると思ってますので)
暗くした状態です。
2023年11月29日
表彩色 空と蓮
空色の着きが薄かったところを面相筆でピンポイントに塗ります。
連筆で、また全体に群青棒を溶いた絵具を塗ります。
ガンボージで、雌しべや花弁の内側を彩色します。
葉に天然金茶13番を彩色します。
続いて新岩茶色13番を重ねます。
新岩美緑青11番を彩色して、本日はここまで。
暗くしたところです。
2023年11月30日
本来であれば今月一杯までが搬入締切でしたが、「もう数日掛かります」と担当者とメールでやり取りし、ラストスパートに入ります。
蓮の花も蓄光顔料で光らせる関係で、白っぽい蓮として仕上げますが、先端だけピンクを差します。
蛍光顔料と見紛うほど鮮やかなブリリアントローズは、膠での接着がし難い顔料であることが解ってきましたので、この顔料だけ、膠の量を増やしました。
葉の彩色をします。
葉を一旦洗います。
更に葉の上にだけ、ドーサを引きます。
ドーサを引くときに更に絵具が取れます。
こうして、塗っては洗い、また塗っては洗いを繰り返し、丁度良い塩梅の色に仕上げると共に、何度も塗って洗うを繰り返す事で、絵具の着き具合が安定します。
また塗り重ねます。
天然岩白群、こちらは普段、茶色く浮いた上澄みを捨てて、練り直す事を繰り返して使用してきましたが、今回は蓮の葉の発色を落ち着かせるため、表面に浮いたアクごと塗りました。
蓮の葉らしい落ち着いた色調になりましたが、空間の埋まり方がノッペリして背景との関係が硬いと思いました。
また洗って、背景と中間の透明感を復活させる部分を作ります。
洗った上に、様々な絵具を重ねていきます。
ブリリアントローズと臙脂とで、花弁先端のピンクを再び差します。
仕上げ段階ですので、慌てて仕上げず、明日に持ち越そうと思います。
2023年12月1日
表彩色 調和
今日の日中に確認した状態です。
やはり、葉の絵具の厚みが、花や背景と調和してないと思いました。
暗室代わりのトイレにて確認します。
葉は、シルエットになりますから、この仕掛けにおいて透明感は必要ありません。
しかし、透明感を必要とする花や背景は、染料系の絵具で彩色してるのに、葉だけを不透明な岩絵具で彩色してたから、画面に統一感が無くなり、葉だけがモッタリと重く感じてたんだと気づきました。
今日も、先ずは葉の上に乗った岩絵具を洗うところからスタートしました。
葉を洗って乾いたところです。
さすがに絵具が取れて、絹本の地が覗いてる部分は、絵具を重ねようと思いますが、
今日は、棒絵具の洋藍と、ガンボージとの染料を重ねて葉の彩色をしていくことにしました。
ガンボージと洋藍による彩色を一段落させ、
葉とのバランスを見ながら、棒群青を溶いた色で、あらためて花弁の陰影をつけていきます。
この様に、作品の仕上げ段階では、脇役とのバランスを見ながら、主役に最後の微調整の描写を加えて完成させていきます。
さらに、相対的に花が白く見えるよう、連筆で棒群青を空全体に被せました。
棒群青は顔料ではなく、染料を膠で固めた絵具なので、透明感があって、Hidden Art には適した群青ですが、染料のデメリットとして、筆がすっかり青く染まってしまい洗っても取れません。
落款
ダミーの印を置き、その上に金泥で署名を書き入れます。
せっかく金泥を溶くのだから、同時制作中の「マリア観音」の宝飾品の彩色も進めようかと思いましたが、最も高価な材料による、緊張感が伴う描写を同時にやるのは、気力のキャパを超えそうでした。
今日は「泥中に咲く」の完成に集中し、こちらの裏打ち、パネル張り、搬入を済ませた後に、あらためて「マリア観音」の続きに集中することにしました。
ダミーの印の位置に印矩を当てて、ダミーをピンセットで除けた後に、印を押しました。
印泥の油分が光ってます。
天然珊瑚末13番を振り掛けて、印泥の余分な油分を吸い取らせ、
筆で掃いてケースに戻します。
珊瑚末がまぶされた印は、テカらず鮮明に見えるようになります。
金泥で書いた署名の方は、逆に瑪瑙ベラで擦り、キラキラ光る様に磨きます。
宏三の宏の字の途中まで擦った段階です。
名前を全て擦り光らせた状態です。
これで完成です。
完成
完成しました。
「泥中に咲く」明
「泥中に咲く」明→暗の途中段階
「泥中に咲く」暗
2023年12月2日
水張り
木枠と糊付け部分が湿って剥がれないように保護してたマスキングテープを剥がします。
裏側のマスキングテープも剥がします。
裏彩色の蓄光顔料がマスキングテープの上に乗ってた分は、ポロポロ剥がれ落ちますので、
掃除機のブラシヘッドで蓄光顔料の剥がれ落ちを吸い取ります。
四隅を留めていた画鋲を抜いてから、木枠の上を湿らせて、
剥がします。
乾かして、夜の講演会&パネルディスカッション前に、別の仕事を済まそうと思いましたが、講演会前に、やらなきゃいけない準備を思いついてしまいました。
気づいてしまった僕が対処するのが一番早いので、急遽講演会設営時間に間に合う様に、そちらの仕事をすることにしました。
こう見えて個人事業主という、一人で何でもこなす経営者ですから、細かな問題点に直ぐに気づき、迅速に対応する能力は高いと思ってます。
2023年12月3日
パネルに水張りする前に、絹本の裏打ちをしたほうが良いと、参考図書でも、ネットでも情報収集してましたが、いざ絹本の裏打ち方法を書籍やネットで調べると、詳しく書いてない物や、絹本の裏打ちはプロの表具師に任せるのが無難と書かれていたり、YouTubeの動画で見ると、とても難しいと感じ、裏打ちは止めておく事にしました。
下図を水張りしてたパネルを剥がすと、贅沢な事に、下図の下張りとして、楮100%の手漉き和紙が水張りされてました。
いつか思いついたら直ぐに新作の制作に移れるように、ロールから切り分けた半端な和紙をいくつかのパネルにあらかじめ張ってあったやつでした。
絹本の裏打ちではありませんが、和紙で下張りしてあるパネルに水張りすれば、間接的な裏打ちみたいなものです。
裏打ちせずにこのパネルに水張りすることにしました。
パネル側面に貼る耳を残して、大き過ぎる糊代部分をカットします。
絹本の裏に水を引きます。
水張りテープで水張りしました。
真上から見ると分かりにくいですが、
垂直気味に立て掛けると、ものすごくシワがついてます。
こんなにシワが寄って、果たして乾いたらぴーんとフラットに縮むだろうか?と、不安を感じつつ、次の段階に必要な材料を買うために島忠ホームズに出掛けます。
帰宅後、あちゃー乾いても全然フラットになってませんでした。
制作の時に沢山膠分を吸って、既にこれ以上は縮めない画面になっていたと思われます。
もう一回張り直します。
普段なら、水張りテープを剥がす事無く、カッターナイフでカットして本紙を剥がすのですが、側面を見て、水張りテープはフラットなのに、絹本の側面がシワだらけです。
側面にこの水張りテープがくっついたままだと、張り直しても、またシワが出来ること必至です。
側面の水張りテープの上から何度も水を引き、浸透させて糊をふやかし、水張りテープを剥がします。
結構大変で、たぶんこれから3日間くらいは指先のしびれ(筋肉痛)が残ると思います。
剥がしても、形状記憶の様にシワが固定されてしまってました。
夕食前に、再び水を引き、食事時間の間に画面の内側までしっかり水分を浸透させておきます。
夕食を終えて、まだ湿り気の残る絹本を、上下の耳を引っ張ってシワを伸ばします。
乾いても、もうこれ以上は縮まない事が分かったので、水張り段階で、キャンバスを張るように強く引っ張りながらぴーんと張らせる必要があると理解しました。
絹本を下張りしたパネルに乗せ、位置を合わせます。
昨日の登壇者のお一人、正木稔子先生が、今日のYouTube番組にご出演されると言ってましたので、テレビモニターにファイヤースティックを差して、YouTubeを見ながら作業してます。
でも、残念ながら正木先生の本日のご出演はありませんでした。
昨日の講演会で、すっかり正木先生のファンになりましたので、これからもヘブニーズLIVEは必見です。
上下に引っ張り伸ばして画鋲で仮留めします。
僕は、TVニュースやワイドショーは一切見なくなりました。
TVは明らかに世論誘導の偏向報道です。
NH◯が嘘を伝えるはずが無いと信じてる老人は相変わらず多いと思いますが、少なくとも伝えるべき大切な情報を隠蔽してる事は間違い無いです。
最初からデマも混ざっってる事を承知で、ネットから自分の判断で信頼出来る情報を選ぶ方が、主体性のある情報収集になると思います。
画鋲で上下のシワをぴーんと伸ばした状態で固定しておいてから、左右を水張りテープで貼ります。
こうして水張りテープを貼ることで、先ず横方向への画面のシワが出来る原因を無くす事が出来ます。
上下は、仮留めの画鋲を抜いて、まず水張りテープと絹本とを接着させます。
この後、画面に直接掌を当てて、内側から外側に向かって画面をぴーんと伸ばしながら動かし、そのまま側面に折り込みます。
今度は大きなシワが無く水張り出来ました!
まだ湿り気が残ってますので、ほんの少しのたるみはありますが、この後、乾燥し、完璧にフラットになりました。
クッション材の仮枠
さて、シマホで買ってきた道具はこちらです。
室内の柱や家具の角に貼るクッション材で、木目調の塗装が施されてます。
もう一つは貼って剥がせる両面テープです。
「泥中に咲く」は、今回搬入を急ぐために、緊急措置として仮の額装をしますが、将来的には軸装したいと思ってますので。
三角定規を当てて45度を鉛筆で記します。
クッション材ですのでカッターナイフで簡単にカット出来ます。
一旦、仮に周りを囲んでみます。
画面の上に少しだけ白い隙間が覗きます。
マスキングテープを上下に張り、
群青棒で隙間を塗ります。
マスキングテープを剥がし、仕上げは面相筆で彩色します。
強力なのに剥がせるって良いですね。
接着出来ない素材として、水分が染み込みやすい面と書かれてますので、
絹本や水張りテープが剥き出しだと、糊の成分を吸い込み、上手く剥がれなくなる怖れがあります。
なので、水分を弾くマスキングテープを側面に貼って保護します。
マスキングテープは半透明なので、貼った後もその存在が分かりませんね。
両面テープをパネル側面に貼りましたが、結局、クッション材の側に貼ってから接着する方法の方が良い事がわかり、パネル側面から一旦剥がし、クッション材の内側に貼り直しました。
マスキングテープの下地のおかげで、簡単に剝がすことが出来ました。
クッション材の装着完了です!
明日、搬入出来ます!
搬入の延期の知らせをした時に12/4くらいまでには搬入してほしいと言われてましたので、良かった~!
こうして見ると、本物の木製の仮縁にしか見えません。
しかも、クッション材ですので、運送中に額に傷がついたりする心配が無く、もちろん作品の保護材にもなります。
クッション材を使った仮縁、また一つグッドアイディアが閃きました!
流行るかも。作家仲間の方々、どうぞ真似して下さっても構いませんよ
来年 2024年1月18日(木)〜21日(日)
タワーホール船堀(東京都江戸川区船堀)にて開催される
日本・フランス友好促進企画「永遠の絆展」に出品予定です。
フランスとは無関係な題材ですが、
日仏友好と表記するなら、まさにピッタリな作品だと思います(笑)。