「秋の長谷寺屏風」 2008年制作
「秋の長谷寺屏風」4043 x 1818 mm 2008年制作
東京都江戸川区 泉福寺蔵
泉福寺様には、2006年に「春の長谷寺屏風」を納めており、この2作目の屏風と対で「春秋長谷寺屏風」六曲一双、揃って納められてます。
真言宗豊山派の総本山、奈良県桜井市にある総本山長谷寺の本堂舞台から境内の紅葉を見下ろした構図としました。
舞台の闌干の曲がり角を屏風の曲がり角に合わせたり、伽藍の向きもなるべく画面の奥行きと一致する様に配置を決めました。
屏風はジグザグに折って展示しますから、下図段階でジグザグに折った画用紙を用意して立体感を生かした構図を考える様にしてます。
年によって紅葉の色づき具合は当たり外れがありますので、この時も年をまたいで翌年の紅葉シーズンにも現地に取材に行きました。
2回目の取材の時の紅葉がまさに当たり年でした。
こちらから⇒泉福寺様にて 六曲一双 が展示されている様子をご覧いただけます。
「春の長谷寺屏風」 2011年制作
「春の長谷寺屏風」4043 x 1818 mm 2011年制作
北海道岩見沢市 長高寺蔵
「春の長谷寺屏風」は、ほぼ同じ構図で泉福寺様と長高寺様とに2作描いてます。
真言宗豊山派の僧侶達は若い頃皆、総本山長谷寺で修行、お勤めをしますので本山の景色は思い出深いでしょうし、客観的に眺めても境内の景色は素晴らしい美しさです。
2006年に丸善の個展でお披露目した一作目の屏風が北海道新聞の記事で紹介されたのをご覧になった長高寺住職が、急遽飛行機に乗って観に来て下さいました。
その作品は泉福寺様からの受注制作でしたので、あらためて同じ構図の屏風をもう一作制作し、納める事をお約束して5年越しで納めさせて頂いた屏風になります。
新聞でご紹介された記事をご覧になって、はるばる北海道から飛んで来て下さった事が、作者として何より嬉しい事です。
ちなみにこの屏風を制作中の写真が仏教系新聞でも紹介され、後年、総本山長谷寺第八十五世化主(長谷寺歴代管長を兼務)から肖像画を依頼される事にも繋がりました。
有名、無名に関わらず、作品そのものでご興味を惹かれたり、ご注文頂ける事が一番純粋に嬉しいですし、画家としての自信にも繋がります。