能舞台 鏡板 「老松」 2017年制作

4200 x 2080 mm キャンバスにアクリル絵具 2017年制作 北海道岩見沢市 浄土寺蔵

国の遊水池計画に伴い浄土寺様が市内で移転することになり、新たな地に新築されることになりました。
新築に当たり、本堂の須弥壇の前の床に檜を使い、仮設の鏡板を吊り下げ、能舞台にも出来る設計をされ、僕に鏡板の制作依頼が来ました。

能舞台 鏡板「老松」4200 x 2080 mm キャンバスにアクリル絵具 2017年制作 北海道岩見沢市 浄土寺蔵

板に描いた様に見せてますが、仮設の鏡板ですので軽量化を測るためキャンバスを使い、いかにも板に見える様に、毛の硬い刷毛で木目の様に筋をつけながら背景を塗りました。
一般的に老松は鏡板に収まる様に描かれるものですが、より大きく広がりを感じさせるために鏡板からはみ出す様に大きく描きたいと思い、依頼主の住職はもちろん、住職からご紹介頂いた観世流の能楽師の方に小下図を見せながら提案し、ご賛同頂けました。

リアリティーを出したかったので、同業で素晴らしい松の襖絵を描いてる伊東正次画伯にその松の所在地を教えて頂き、南アルプス市、宝珠寺の樹齢350年を超える黒松を取材し、枝の曲がり具合や樹皮の質感を参考にして描きました。

能舞台 鏡板「老松」試吊
鏡板試吊の様子