仮題:Naked apron 制作工程

今回の作品は充分エロいので、蓄光顔料での隠し絵画は仕込んでません。

鑑賞者に妄想の余地を残しておきます。



11月29日

骨描き・隈取り ⇒ 彩色

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

墨による「骨描き(こつがき)」、「隈取り(くまどり)」を済ませた段階です。

僕は最初の下地でドーサに明礬を加えてません。
完璧じゃなくて、多少滲む不完全な滲み止めにしてます。なので、描き始めの段階では斑条に滲みます。

和紙の風合いが出ますし、絵具と和紙との食いつきが良くなります。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

新岩黄口黄土13番を塗ります。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

京上紅藤紫 白(びゃく=一番微粒子)を塗ります。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

新岩銀鼠 白 を塗ります。

不完全な滲み止めなので、墨だけでなく、微粒子の絵具も和紙の繊維の内側にも入り込みます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

岩銀鼠が乾いた段階です。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

本日の最終段階に、再び明礬を入れてないドーサを引きます。

ドーサを引くときに接着の弱い絵具は取れますが、和紙の繊維に食い込んだ絵具もろとも膠分で固める事になりますので、紙と絵具との一体感を伴った堅牢な下地になります。


11月30日

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

ガンボージ

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

コバルトローズ

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

天然小豆茶12番

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

ドーサを引きます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

反対側からもドーサを引きます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

天然白群F
※Fは精製具合のランクの低さです。不純物を多く含み、価格が安い天然群青です。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

胡粉でエプロンを描き起こします。

左側に置いてあるのは、モデルさんが送ってくれた、手作りエプロン作成時の切れ端です。

今まで何度かモデルを努めて下さってるので、僕の細部描写に役立つと、ご配慮頂きました。感動です!

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

全体の色調を整えていきましたが、写真に忠実な色調だと、ありきたりでつまらないですね。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

本日の最終段階です。
エプロンの白さと対比させようと思い、肌色を濃くしてみましたが、昨日の全体が白っぽい感じの方が良かったと思いました。
この先も色々試行錯誤してみます。


12月3日

色調変化

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

濃くなってしまった肌色に、天然珊瑚末 白(びゃく)を塗って明るくしました。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

光が当たったところにガンボージを薄く塗ります。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

陰側には京上紅藤紫 白 を被せます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

さらに天然岩銀鼠 13番を被せました。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

ドーサを引きます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

乾いたら反対方向からも引きます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

濃い目に溶いた胡粉でエプロンを、珊瑚末で肌の一部をより明るくします。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

エプロンを描き起こした胡粉を薄めて画面全体をもうワントーン明るくします。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

本日の最終段階、乾いた状態です。


12月7日

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

昨日からの手順を紹介します。
コバルトローズ。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

天然紫雲末13番

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

ドーサを引きます。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

ドーサが乾いたところ

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

モデルさんの髪の毛など、アクセントとするところだけにハッキリとした色を加え、あとはなるべく明るい色調を保った状態に仕上げていきました。

日本画家 佐藤宏三 Naked apron

完成です。

今回はモデルさんの肌色を陰側も極力明るくし、背景も明るくボカしてみました。

この作品自体は「蓄光顔料を使った隠し絵画」ではなく通常の日本画ですが、ここ約一年間は、蓄光顔料の隠し絵の制作を続けてきたので、上の絵を明るめに表現する習慣が身についてきたかもしれません。

新しい表現に挑戦すると、以前から描き慣れてた表現に戻った時も、新たな表現の幅が拡がると実感致しました。